
「まず現状を把握するのに時間がかかってしまうと思うので、いかにすばやく理解できるか、ですね。いろんなケースを考えること。それだけでもアンテナが立つ。あとは処理能力。あ、いま、こういう状況やから、こうしたほうがええな、とか。これをどうしたら解決できるのか、どうしたら間をつなぐことができるのかな、とか常に考えていますね。いかに瞬発力を鍛えるかが大事というか。関西人としゃべっていると、よく、『で?』と言われるんですけど、それに似ている部分でもあるかもしれない(笑)」
デビューまでの悔しさが役柄に
「売れない俳優」である緋山に、デビューまでが17年9カ月と長かった自分自身が少し重なる、とも語っている。
「衣装合わせのときに監督さんから言われたのは、丈一郎にオファーした理由は、そういう経験をしているからだ、って。演じようと思って演じられる人は山ほどいるけど、経験している人は本当に少ない。経験している人のほうが、より緋山を演じられると思う、って。僕のデビューまでに長年かかった悔しさが、より緋山を作れると思っていただけたのなら、やっぱり僕もそれに応えないといけないなと思いました。
そういう意味で、必要とされることが、すごくうれしかったな、という経験があって。まさしく、緋山が『必要とされるのがうれしい』と口にする場面があるんですけど、自分がデビューのタイミングがわからず、まだユニットも組んでないころ……当時はファンレターを直接いただいていたので、『これからもライブで私たちに笑顔を』という言葉を読んで、すごくうれしかったところに重なりました。ファンのみんなにもらった思いは、やっぱり大きい。誰かに必要とされている以上は、もっともっと頑張らないとな、っていう部分は、緋山と僕自身とはすごく似ている部分があるし、感情を代入しやすいなと思いましたね」
(編集部・伏見美雪)
※AERA 2025年7月14日号より抜粋
こちらの記事もおすすめ なにわ男子・藤原丈一郎が明かす“関西の縦のつながり” 「ジュニアの子たちと長い絆を育めたらな」