
自分がされて嫌なことはしない、っていうのがやっぱり根源的というか。それが根っこにあったら、大丈夫かなって思います。あまり上手に伝えられない人は、枕詞じゃないけど、最初に『あんまりうまく伝えられるかわからんけど』って言うだけで、たぶん、聞く側もちょっと前のめりになってくれると思う。本当に、言葉ひとつで変わってくる。関西人が最後によく使う『知らんけど』もね、一言で印象がガラッと変わるので」
「臨機応変」に人の実力が出る
同じ「一言」を口にするのでも、「緋山は一刀両断というか、ざくっと切り込むタイプ。でも僕は個人的には、みんなでしゃべっていても、空気を読んでしまうというか、いまは言わんとこう、となることがある」と言う。実際、藤原はテレビ番組などに出演していても、周囲をよく見て、気づかいながら、しなやかに動いている印象を受ける。
「この仕事をしていると、やっぱりまわりを見る機会が増えるというか、多いので。僕がこの世界に入ったのは小学校2年生のときなんですけど、そのとき振付師さんに言われたことが『臨機応変に対応しろ』って(笑)」
「臨機応変ってなんやねん、と思いながら(笑)、僕が初めて覚えた四字熟語でもあるんですけど、常にその場所や状況に応じて動く、という言葉は本当に芸能界にぴったりだなと。芸能界だけじゃなく、例えば接客業とかでも、いかに臨機応変に対応できるかっていうのが、その人の実力でもある。準備して臨むことは、たぶんみんなできると思うんですけど、アクシデントが起きたり、自分が計算していたものと違うところに脱線してしまったりしたときに、どう対応できるか、というのがその人のいちばんの実力だなと、僕は考えています」
まさに「実力」が問われてしまう場で、努力で身につけられる部分があるとしたら?