
玉木代表の地元・香川で国民民主候補が優勢
四国では、徳島・高知、愛媛の両選挙区で、野党系の無所属がかなり優勢と見られている。野党全勝のカギを握るのが、香川選挙区。国民民主党の玉木雄一郎代表の地元であり、国民民主が新人の原田秀一氏を立てて、自民党現職で当選2回の三宅伸吾氏にぶつけた。香川は立憲民主党の小川淳也幹事長の地元でもあるが、立憲民主は候補を出していない。
「メディアや政党の情勢調査では、原田氏がやや優勢という数字だ。国民民主党は山尾ショックも落ち着き、玉木氏の地元とあって人気がある。立民が候補者調整で出さなかったので、与党vs.野党という明確な構図になっていることもプラスになっている」(玉木氏の後援会幹部)
香川選挙区ではほかに、共産党の長尾真希氏、参政党の小林直美氏、NHK党の野呂美和子氏、無所属の町川順子氏が立候補している。
「西風が吹くと、政権が吹っ飛ぶ」
自民党で長く政務調査会調査役を務めた政治評論家の田村重信氏がこう話す。
「西風が吹くと、政権が吹っ飛ぶ。政権交代の危険性が増す。これは昔から自民党の中でよく言われることです。歴史を見てもわかる」
大きな「西風」が吹いたことで知られるのは、07年の参院選だ。第1次安倍晋三政権での選挙で、西日本の19の1人区のうち、自民党が勝利した選挙区は4つだけ。四国の4つの1人区はすべて野党系が勝利し、九州でも7つの1人区のうち、5つを野党系が奪った。
この参院選で自公は改選前の76議席を46議席に減らす大敗。民主党が60議席を獲得して第1党となり、参議院で与野党が逆転。これが09年の民主党への政権交代につながった。
そして今、すでに衆院では少数与党の石破政権。今回の参院選でも07年と同じような「西風」が吹けば、政権交代にもつながりかねない。

田村氏はこう話す。
「裏金事件がまだ尾を引いており、そこにコメ不足が追い打ちをかけた。とりわけ九州、四国といった西日本はコメには敏感な地域。石破首相は挽回しようと2万円給付を打ち出したが、これが不評で、反対に票を減らしている。打つ手すべてがマイナスのベクトルとなって完全に守り一辺倒の選挙となっている。西風が吹き荒れ、参議院で過半数を割ってしまったら、もう石破首相は自ら辞めるか、野党を取り込んで連立を図るか、解散・総選挙くらいしか手がない。まさに政権の瀬戸際だ」
(AERA編集部・今西憲之)
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