楽天証券経済研究所 チーフアナリストの今中能夫〈いまなか・やすお〉さん(撮影・和仁貢介/朝日新聞出版写真映像部)
楽天証券経済研究所 チーフアナリストの今中能夫〈いまなか・やすお〉さん(撮影・和仁貢介/朝日新聞出版写真映像部)
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 このままエヌビディアやテスラに資金を託していいのか––––。主要ネット証券5社の「新NISA口座で買われた米国株ランキング」を調査すると、投資家は「次のGAFAM」を買いはじめていることがわかった。【本記事はアエラ増刊「AERA Money 2025夏号」から抜粋しています】

【ランキング】新NISAで買われた米国株ベスト30はこちら!

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 ネット証券の新NISA口座で買われた米国株の1位は「一生一緒に」エヌビディア。生成AI向け高性能半導体で世界首位を独走する。毎度おなじみである。

 2位は電気自動車大手のテスラ。オーナー経営者のイーロン・マスク氏がトランプ政権の中枢に食い込んだことも話題になった(2025年5月28日、マスク氏は任期終了に伴い特別政府職員から離れる旨をXに投稿)。

 エヌビディア1位、テスラ2位は前回の集計時と同じ。注目はその次だ。

 3〜5位にパランティア・テクノロジーズ、ソーファイ・テクノロジーズ、マイクロストラテジーが並んだ。

 日本ではなじみの薄い企業が、アップルやマイクロソフトを抜いて急浮上。いずれも新興IT企業である。

投資家はちゃんと見ているという印象があります」

 2025年1月から3月中旬までの新NISA米国株ランキング結果を見た、楽天証券経済研究所チーフアナリストの今中能夫さんの一言目だ。

写真・図版(2枚目)| 新NISA最新3カ月で買われた米国株ベスト30「次のGAFAM的な3銘柄」上位独占

新興ITズラリ

 パランティアは「謎のデータ分析会社」との異名を持ち、米国政府とも近いらしい。

「米軍向けにAIを駆使した戦闘用意思決定システムを提供しています。

 決済大手ペイパルの創業メンバー、ピーター・ティール氏がつくった会社です。

 イーロン・マスク氏もペイパル出身で、彼ら企業家たちは『ペイパルマフィア』と呼ばれています」

 ソーファイは金融とITを融合させたフィンテック企業、マイクロストラテジーは米国上場企業で有数のビットコイン保有会社だ。

 9位のイオンキューと11位のリゲッティ・コンピューティングは量子コンピューターのベンチャー。

 29位のインテュイティブ・マシーンズは宇宙開発企業である。2024年に民間宇宙船で初の月面着陸を成功させた。

「量子コンピューターは宇宙開発に直結します。再選を果たしたトランプ氏が宇宙開発に注力すると読んで、これらの銘柄に一部の投資家が乗ったようです」

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