西武ライオンズの元エースで監督経験もある東尾修さんは、第5回ワールド・ベースボール・クラシックへの期待を明かす。
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新年あけましておめでとうございます。年末年始、みなさんはどんな過ごし方をしましたか。私は東京の自宅で静かにしていました。今年は久しぶりにキャンプ地を回ることができそうなので、今、体調を崩すわけにはいかない。松井稼頭央が西武監督、そして和歌山・箕島高校の後輩でもある吉井理人がロッテ監督に就任した。キャンプを見に行く楽しみが増えた。
野球界にとって、今年は3月に第5回ワールド・ベースボール・クラシックが控えている。今回は超一流のメジャーリーガーがアメリカをはじめ、日本、そのほかの国で出場を表明している。本当の意味でも世界の野球というものがどの位置にあるのか。そして日本がどの位置にいるのか。3月開催、一発勝負という点を割り引いても、興味深い大会となる。
今回はダルビッシュ有、大谷翔平、鈴木誠也の参戦表明に加え、レッドソックスに移籍が決まった吉田正尚が参戦するとの情報も入ってきた。これまでは移籍1年目の選手は、チームの中で自分の地位を確立する必要があるため、出場できないという側面もあったが、今回は違う。栗山英樹監督の人柄、熱意ももちろんあるだろう。ただ、韓国も現役メジャーリーガーとしてはキム・ハソン内野手(パドレス)、チェ・ジマン内野手(パイレーツ)、韓国系選手としてトミー・エドマン内野手(カージナルス)らが名を連ねたように、大会にかけるメジャーリーガーの本気度はこれまでにないものを感じる。
日本選手にとっても、メジャーでもトップを張る大谷、ダルビッシュらと試合を行うことで、また新たな刺激が生まれる。一緒に合同トレーニングを行うとかのレベルではない。どんなメンタルで臨むのか、局面の選択の仕方、そういったものは真剣勝負の中で気づくことが多い。いくらテレビの画面でメジャーリーグをチェックして何かを盗もうとしても、実際に試合を行うほうが得るものが大きい。今回、日本代表で大会に出場した選手は、ぜひともその感じたものをチームに戻って還元してもらいたい。