2016年12月に新人王の表彰を受ける高山
2016年12月に新人王の表彰を受ける高山

ファーム新球団からNPB支配下契約なし

 ファームリーグの拡大によって、昨年からオイシックスがイースタン・リーグに、くふうハヤテベンチャーズ静岡がウェスタン・リーグに新規参入。選手たちはNPB入りを目指してプレーしている。だが、昨年のドラフトで2球団から支配下での指名はなし。指名されたのはいずれも育成契約で、オイシックスの下川隼佑(ヤクルト)、くふうハヤテの早川太貴(阪神)の2投手のみだった。オイシックスの知念大成は昨年のイースタン・リーグで打率.323をマークし、首位打者と最多安打(129安打)を獲得したが、指名漏れした。

 一方で、育成契約を含めてNPBに一度でも在籍したことのある選手は、ドラフトを経ずにNPB球団と選手契約を結ぶことができる。高山に獲得オファーが届けば、ファーム新球団からの支配下契約1号となるが、獲得に名乗りを上げる球団はあるだろうか。今年のNPBの移籍期限の7月末まで残り1か月を切った。

 スポーツ紙デスクは、「各球団は現時点の力だけでなく、年齢や将来の伸びしろを考えて選手を獲得します。高山は30歳を超えているので、若返りを図るチームが多い中で厳しい状況であることは間違いない。ただ、ファンの人気が根強いスター選手なので、もう一度NPBの舞台で見たいですよね。貧打が深刻な球団が多いですし、可能性がゼロではない」と期待を込める。

 実際にNPB球団の評価はどうだろうか。パ・リーグ球団の編成関係者は「打撃だけで言えば、今の高山は1軍でも十分に通用すると思いますよ。彼の打撃センスは天才的なものがある。阪神で結果を残せなかったのも相手の問題ではなく、自分の打撃を見失った部分が要因だと思います。2軍で活躍するけど1軍で通用しないという選手ではない」と評価した上で、懸念点も口にした。

「1軍でスタメン起用すると考えると、高山は外野の守備能力が高いと言えず、俊足が売りの選手でもない。長打力もあるとは言えないので、その部分をどう評価するか」

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