2021年の兵庫知事選で初当選を目指す斎藤氏(左)を応援する吉村氏
2021年の兵庫知事選で初当選を目指す斎藤氏(左)を応援する吉村氏

維新のイメージが強い斎藤知事

 そして兵庫県の斎藤知事の問題。県の第三者調査委員会が認定したパワハラのほかにも、昨年11月の知事選での公職選挙法違反疑惑、内部告発した元県民局長の個人情報を漏洩させた疑惑など、斎藤知事を巡ってはさまざまな疑惑が噴き出ている。前出の維新陣営スタッフのB氏は、こう話す。

「斎藤知事が初当選の時には維新が応援し、吉村知事が何度も横並びで演説していた。内部告発で斎藤知事の問題が発覚したときも、維新だけは斎藤知事を擁護しているような雰囲気だった。今も維新から処分を受けて離党した県議が斎藤知事をサポートしていて、どうしても斎藤知事は維新のイメージが強い。都議選でも『なぜ斎藤知事の味方をするのか』と街頭で聞かれたこともある」

 メディア各社の世論調査で維新の支持率は低調だ。前回22年の参院選で維新は、比例区で自民党に次ぐ8議席を獲得したが、今回の参院選では3から4議席に落ち込むという見方が出ている。また、16年以降の3回の参院選で、維新は地元・大阪選挙区で改選数4のうち2議席を獲得してきた。だが、維新の大阪市議はこう危機感を募らせる。

「活動をしていても維新人気がかなり落ちている。万博や斎藤知事について追及されて、答えに窮することもある。このままでは2人の候補者のうち1人しか当選できないと、先日も幹部からハッパをかけられた。参院選で大負けしたら吉村代表はどうなるのかと、進退の話まで出始めている」

 万博、斎藤知事問題の“二重苦”にあえぐ吉村維新。参院選でどのような審判が下るのか。

(編集部・今西憲之)

こちらの記事もおすすめ 「万博こけたら維新もこける」 問題噴出、入場者低迷の大阪・関西万博に維新議員の戦々恐々
[AERA最新号はこちら]