撮影:馬場岳人(朝日新聞出版写真映像部)
撮影:馬場岳人(朝日新聞出版写真映像部)

 最初にマニキュアをしたのはいつごろだったでしょうか。多分、戦前にはマニキュアの存在そのものを知らなかったのではないかと思います。当時の福島ではおしゃれの情報もあまり入ってきませんでした。

 戦後もしばらくの間、マニキュアをつけるのは女優さんか夜のお仕事の女性だけ、というのが世間的な感覚だったように思いますが、いつのころからか一般の女性もつけるようになりました。

 それがうれしくてね。女性が好きにおしゃれを楽しめる時代って、なんていいんだろうと思いました。

 今、若い人の間で流行っているのはジェルネイルというそうですね。

 自分の爪の上にアクリル樹脂やジェルを塗って光で硬化させることで、はげにくく爪を長くすることができると聞きました。

 取材で来られる女性たちの中にもとてもきれいなジェルネイルをしている人たちがいて、「素敵だなあ」と思っています。

 私も若かったら絶対に飛びついていると思います。

 今、私がつけているのは、ナチュラルな色味のマニキュアです。あまりに赤いのよりも手になじむ色のほうが自分には向いているんじゃないかと思うのです。

 パッと目に入るような感じではありませんが、マニキュアをしていることで自分自身の気分は確実に上がります。マニキュアを塗る時間が好きなんです。

 細かいことに集中することで深い自己満足を得るタイプなのかもしれません。

「ちゃんとマニキュアまでしている自分」に満足しているというのもあるでしょう。

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