お茶の間のテレビを中心にして家族で沢田研二を楽しみ、その記憶が鮮明に残っている。

当時の人気音楽番組「ザ・ベストテン」での最高ランクは2位止まりだったが、いまも語り継がれる曲となったことを“分析”するファンも。

「一等賞になったわけではない、派手なパフォーマンスだけで、未だに聞かれているわけでもない、令和の時代にも歌い続け、聴き続けられている、稀有な一曲。キラキラしたイントロに、日本のバブル時代の始まりの予感と高揚感。その後の日本を感じさせる哀しさと切なさを併せ持つ歌詞、これからもずっと残る曲だと思う。時代が『TOKIO』をジュリーの代表曲に押し上げたと思う」(60代・女性)

2位 渚のラブレター

 第2位は「渚のラブレター」。化粧品ブランド「マックスファクター」の81年夏のキャンペーン・ソング、いまもライブで歌われていることから根強い人気がある。

「現在進行形で続く曲。今のツアーでも、原曲キーで歌われててすごい、と思うから」(50代。女性)

「今でも、昔のキーのまま歌い上げる姿は素晴らしい。ライブで聴いて欲しい」(60代・女性)

「今のライブでも歌われています。さんざん歌った後のアンコールで。歌い出しの素晴らしさに毎回感動します」(60代・女性)

「ご本人作曲で、今年のツアーでもオリジナルキーで歌っています。ジュリーが恋人との最後の夜を歌う切なさ。発表した30代でも、歳を重ねた70代でも素敵です」(60代・女性)

 第3位の「TOKIO」のド派手さとは正反対で、甘い声に酔いしれる名曲で「声が素晴らしい」(70代・女性)「歌詞が凄く好き」(50代・女性)「本人の作曲で伸びやかな声が美しい。いつ聞いてもグッとくる。恋人との距離感をリアルに歌詞に載せてドキドキします。ジュリーの甘く響く声がたまらなく素敵です」(70代・女性)と、その声にいまもとろけている感じだ。

 ジュリーの甘い声にのる歌詞も素敵だ。幼い心にもその言葉が届いている。

「私は当時小学3年生だったが、テレビから流れたのを聴き、恋人同士の別れの曲と気付いた。寂しいはずの最後の夜に、2人歩きながら語りあう男女をイメージしたが、『お別れなのに悲しくて大きな声でワンワン泣かないのかな、なんだか温かいな、大人は我慢できるから、こんなお別れでも大丈夫なのかな』など、ジュリーの声を聴きながら考えたのを思い出す」(50代・女性)

 40年以上たったいまも、曲とともにこうした記憶がよみがえってくるのは昔の歌謡曲の素晴らしさでもあるように感じる。さらに、若い世代もキュンキュンしている。

「こんな風にジュリーと歩けたら……と夢見てしまいます」(20代・女性)

 第2位になるのも頷ける、ジュリーの伸びやかな甘い声が心にしみる名曲だ。

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