
デザイナーの小川彰子さんがデザインしたこのセットアップは、福井にある機屋(はたや)で素材となる生地を生産し、奈良県の工場で美しい青のグラデーション柄を生地に転写したものだという。
「美しさのなかの強さ」をコンセプトのひとつに掲げる同ブランドは、芸能人やモデルだけでなく、働く女性にも人気だ。
小川さんは、立体裁断で仕上げるシルエットにこだわりをもち、素材との相性を考えながら丁寧に服を作り上げるデザイナーだ。
たとえば、佳子さまがお召しだったジョーゼットブラウス。
仕事などで忙しい女性たちでも服の手入れをしやすいよう、ポリエステル素材の生地を選んだ。その生地にもさまざまな工夫が詰まっている。
身体に負担のない着心地のよさを実現するためには、日本の機屋の繊細で高い技術が必要だ。
「一般的に使われる生地よりも薄くすることで、素材の軽さと透け感を向上させました。それによりグラデーションもより鮮やかに仕上がっています」(広報担当者)

糸ひとつにもこだわりがある。たとえば、スカートのオーガンジー生地に用いている、ポリエステルのたて糸は、繊維を三角の断面に加工することで、自然な光沢感を出した。
よこ糸も化繊だが、綿のような天然素材の風合いがある。
実は、小川さんは、皇室と縁のある人物に洋服作りを学んでいる。
日本で最初のデザイン専門学校として知られる、桑沢デザイン研究所の学生だった小川さんは、オートクチュール科目を専攻。そこで指導していたのが、上皇后美智子さまの専属デザイナーを務めていた植田いつ子さんであったという。
植田いつ子さんからのからの学びは、小川さんにとって、服作りの大切な原点。
佳子さまがブラジルでお召しになったことも、喜んでいたという。