32ある「1人区」はいずれも重点

――自民党、あるいは与党としての参院選の目標議席や勝敗ラインをどう見ていますかか。改選となるのは自民52、公明14の計66議席で、50議席を確保すれば与党で参院全体の過半数に達します。

 選挙戦に入っていない今の段階で私の立場から言えるのは、とにかくできるだけ多く。つまり全勝が目標ということですね。参院で、過半数を維持するのは最低ライン。今の時点ではできる限り多く勝てるようにやっていきたいです。

――重点選挙区についてはいかがでしょうか。

 32ある「1人区」はいずれも重点になってくるでしょう。ここで勝ち切らないと、全体の勝利が見えてきません。それにあまり言われていませんが、比例。6年前の参院選では我々(自民)は19議席(3年前は18議席)。比例はかなり振れ幅がありますが、19というのは、結構高い目標です。どこまで19に近づけるかも一つの勝負です。

――改選数「6」に加え、補欠選「1」の東京選挙区はいかがでしょうか。2人目の自民党公認候補として、元NPO代表の渡部カンコロンゴ清花氏が取りざたされましたが、最終的には初代スポーツ庁長官で元水泳選手の鈴木大地氏に決まるなど混乱が見られました。

 我々の中で混乱があったわけではありません。最終的な決定をする前の段階で報道が出て、騒ぎになったということです。改めて仕切り直して鈴木大地さんに決まったわけですから。私のような世代にとってはヒーローでもある方です。東京は激戦になりますが、昔のように2人のうち1人は地上戦、もう1人は空中戦にしたり、2人で地域を分けたりすることは考えていません。

――1人区の勝敗は野党の状況も影響しますが、今のところ野党の足並みがあまりそろっていません。どう見ていますか。

 野党のことなのでコメントすることは特にないんですが、私から見てそもそも野党間で政策が一致してないですからね。安全保障政策、財政、教育に対する考え方……。ほとんど一致していないように見えるので、一本化すること自体がどうなのかな、と感じます。

――参院選で勝利を収めても衆院では過半数割れの状況が続きます。選挙後に立憲民主と大連立したり、ほかの野党と組んだりする可能性はありますか。

 まずは自公で参院選に勝たないことには始まらないですから、しっかり勝たせていただけるよう戦います。そのうえで、それでも衆院の構成は変わらないし、通常国会もかなり苦労しましたから、そこをどうしていくかは考えなければならないですね。ただ、参院選の結果を見てからの話です。

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