
タイトルコールはバシッと決めたい
―─5月から挑む舞台は、創立45周年を迎え、不動の人気を誇る劇団☆新感線の「いのうえ歌舞伎【譚】Retrospective『紅鬼物語』」だ。作中では、鬼とおぼしき者に妻の紅子(柚香光)と娘の藤(樋口日奈)をさらわれる貴族の源蒼を演じる。
鈴木 人から見た鬼、鬼から見た人という視点が軸になった作品です。僕が演じる源蒼と妻の紅子をはじめとする家族の物語を多角的に描いています。
僕は今作でタイトルコールの呼び込みという大切な役割をひとつ任せていただいているのですが、とてもパワーを使いますし、劇団☆新感線のタイトルコールは毎回とても格好いいので、バシッと決めたいと思っています。
劇団☆新感線は世界的にも有名な劇団のひとつです。7年前に「髑髏城の七人 ~Season月《下弦の月》」に参加させていただいたときは、とても光栄でした。同時に、劇団員の方やスタッフの皆さんとお会いして「なんて家族的な温かい現場なんだろう」と思いました。
劇中で劇団員の方が出てくると、「これを待ってたんだよ」という安心感があるのがいいんです。その安心感がどの作品にも宿っているのが、劇団☆新感線のひとつの強みだと思います。
ちなみに、僕の人生を変えた舞台「オレノカタワレ」にも、劇団☆新感線の俳優、タイソン大屋さんが出演されていたんです。とてもご縁を感じています。
──挑戦を続けるなかで、一番テンションが上がるのはいつだろうか。
鈴木 順位をつけるのはとても難しいのですが、一番報われた感覚が強くなるのは本番です。初日は本番を迎えられた達成感がありますが、2日目以降もクオリティーが下がらないよう気を引き締める必要があります。中日にみんなで「あと半分頑張ろう」という雰囲気になるタイミングも好きですし、千秋楽は「浮かれて余計なことをするな」というふうに自分を戒めます。すべてが大切な時であり、それまでの稽古の集大成です。(構成/ライター 小松香里)
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