
主要な株式のインデックス型投資信託の中で、長期的に高い成果を上げてきたのがS&P500。今後も「米国集中投資」が正解なのだろうか。【本記事はアエラ増刊「AERA Money 2025夏号」から抜粋しています】
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インデックス型投資信託を2005年2月から毎月1万円、20年間(つまり元本240万円)をつみたてたらいくらになっていたか。
元本240万円が、S&P500は1345万円、全世界株式(MSCIACWI)は919万円。
ちなみに日本株(TOPIX=東証株価指数)は612万円(いずれも2025年2月28日現在)。
過去20年、米国株は曲折がありながらも右肩上がりだった。これらは過去の結果で、今後はわからない。
このまま米国株のナンバーワン状態は続くのか……。このように考える人は少なくない。
トランプ大統領の就任以来、2月下旬に続いて4月にも急落・急騰を繰り返す局面が訪れ、落ち着かない。
この期間、SNSでは「S&P500は怖い、どの国がよくなっても(悪くなっても)いいように全世界株式」という声が大きくなっていた。もちろん全世界株式はいい選択肢である。
6割超が米国株

現状のS&P500はテック系の大型株が高い比率で組み入れられている。
「M7(マグニフィセント・セブン)」と呼ばれる7銘柄で組み入れ全体の約31%を占める状態だ。
7銘柄とは、アップル、マイクロソフト、エヌビディア、アマゾン・ドット・コム、アルファベット(グーグル)、メタ・プラットフォームズ(フェイスブック)、テスラ(2025年3月31日現在の時価総額順)。
「トランプ関税ショック」の下落も、これら7銘柄が主導した。
こういう局面で「チャンス! 安く買える」と考えるぐらいでなければ、S&P500への投資は向かないかもしれない。
ただ、全世界株式も米国株はたっぷり入っている。国別の比率をまとめた上の円グラフを見てほしい。
S&P500は「米国100%」だが、全世界株式も約64%が米国株(2025年2月28日現在/以下同)。
2位は我らが日本株だが4.8%にすぎず、米国以外はどんぐりの背比べ状態である。
