東京パフォーマンスドール「WE ARE TPD」
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notall(ノタル)「#Socialidol」
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WHY@DOLL「菫アイオライト」
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ミライスカート「千年少女~Tin Ton de Schon~」
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ハコイリムスメ「ハコいっぱいのプレゼント」
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Party Rockets GT「Time of your life」
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dela「DELAX~dela best~」
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ヤス氏を魅了してやまない福岡のグループ、I'S9(アイズナイン)。10月15日の4周年記念ライヴでの集合フォト
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I'S9のメンバー、miyuのソロ「恋音」
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SUPER☆GiRLS「恋☆煌メケーション!!!」
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「ライヴでは、そのつど光ってる子をメインに撮ってるところがありますね」

 さいきん、撮影可能なアイドル・ライヴが増えてきたような気がする。
 notall(ノタル)やキュレーションズのように全編動画も静止画も撮影可能なグループあり、いちごみるく色に染まりたい。のように1曲限定で携帯の静止画だけOKの場合もあり。東京パフォーマンスドールも「ダンスサミット“DREAM CRUSADERS”」で、フラッシュ・タイムと称する数分間の撮影時間を設けた。
「俺の推しを、俺自身のセンスでかわいく撮りたい。そうするにはどうしたらいいのか?」。
 そう思っている方も数多くいらっしゃるだろう。ぼくもうまく撮ってみたい。そこで今回は、ステレオサウンドON LINEのコーナー「ヤスのアイドルラブ」を担当し、年間60万枚以上ものアイドルや女優の撮影を行なっているヤスさんに直撃取材を試みた。ヤスさんとの出会いについては端的にまとめると、
1)僕が雑誌「ステレオサウンド」でジャズの紹介記事を書いていた
2)それとは別に「ヤスのアイドルラブ」を愛読していた
3)ぜひお目にかかりたく、僕の担当編集者にヤスさんとの間をとりもってもらった
という感じだろうか。初めての顔合わせ&初仕事は2013年春にラフォーレミュージアム六本木で行なわれたアップアップガールズ(仮)のライヴ。以来、いろんなアドバイスをいただきながら、今に至っている。

 僕は時おり仕事の約束が飛んだりすると、いきあたりばったりで自宅を飛び出して渋谷や新宿などに出かけ、カンで選んだライヴや演劇や映画に当日券で入ることがある。そして、そのときに大発見・要注目だと思った歌手や女優などがいると、ヤスさんに伝える。そうすると、かなりの確率で返ってくるのは、「ああ知ってます。前に取材しましたよ」というひとことだ。そんな慧眼の持ち主に、まずは今年のアイドル・シーンについて俯瞰していただいた。

■見せ場があるときは、そこをしっかり撮る

――2016年も、残りわずかです。「この1年、とくに躍進の目覚ましかったアイドル」「来年がさらに楽しみなアイドル」をいくつか、カメラマンでもあるヤスさんの視点から挙げていただけますか? 

 東京パフォーマンスドールの成長にはものすごく目を見張るものがありました。2015年の初めに見た頃はアグレッシヴさがまだまだ足りないなって思っていたんですけど、だいたい3か月おきぐらいに見てきて、今春の「ダンスサミットネイキッド」を見たときに、「これは来たな」と思ったんですよ。それぞれのメンバーの動きのキレがものすごくいいし、撮影しているこっちの位置を把握して目線が来るという視野の広さを感じました。ライヴ中に視線が来るというか、撮っている人間のことが分かるのは、(演者に)心の余裕があるということなので。余裕があるとパフォーマンスにもキレが増すんです。9月の「ダンスサミット“DREAM CRUSADERS”」(TSUTAYA O-EAST)は歌もダンスも見せ方もさらに素晴らしくなっていて、今、TPDはものすごくいい状態にいると思います。

――TPDは9人グループです。でもヤスさんはひとり。あの緻密なフォーメーションダンスを、どうやって撮っていくのですか?

 基本的にダンスって、曲に合わせて動くじゃないですか。密集したり、ソロパートがあったり。初見の曲だと戸惑うんですけど、2、3回見ると「この箇所は、誰それのパフォーマンスがいい」とか、分かってくるんです。見せ場があるところは、そこをしっかり撮る。初見の曲でも、ふと(アイドルを)見ていると「これから飛ぶぞ」って顔をしているときがある。それがわかったら、引いて(ジャンプの場面を)撮る。そういうのはありますね。TPDに限らず、その都度その都度のライヴで特別に華のある子がいるんですよ。脇(あかり)さんのダンスがすごく良いときもあるし、別の時には「(橘)二葉ちゃんもいいな」とか、「上西(星来)さんもいいな」とか。そのつど光ってる子をメインに撮ってるところはありますね。

――そのライヴで、誰が光り輝くかは事前にはわからない。

 わからないですね、それは感覚なので。きらめきみたいなものだから。11月に新宿BLAZEで行なわれた「ダンスサミット“DREAM CRUSADERS”」のときは(小林)晏夕ちゃんの生誕も兼ねていたので、晏夕ちゃんを主に撮ってましたけど(笑)。

――ほかに、来年楽しみなアイドルは?

 一定の顔ぶれで2~3年ぐらい活動してきたグループが伸びるときには急に伸びるような気がします。僕がよくライヴを見ているグループだと、アイドルネッサンス、notall(ノタル)、WHY@DOLL、ミライスカートあたりがそうですね。ミライスカートは曲もいいしダンスもいいしメンバーもいいんですけど、年内でひとり卒業して体制が変わるので、今後の活動に予測のつかないところはあります。

――1月5日には新体制によるライヴ「新春イベント「HAPPY NEW MIRA!!!」」が地元で行なわれるとのことです(京都メトロ)。さらにいい方向に変化することを楽しみにしています。

 メンバーが変動すると言えば、2016年のハコイリ?ムスメは、それがちょっと激しかった感じがします。でも、すごくいいパフォーマンスを続けていると思います。「サウンド・オブ・ミュージック」みたいな振り付けのある曲には感激しましたね。とても好きなグループです。

――notallについてはどうですか? 結成は2014年ですが、ぼくは今年知って心を掴まれました。notallを知ることができて、人生の喜びが増えた感じです。

 notallはライヴも面白いし、キャラも面白いし、曲もいいし、メンバーたちの性格もいいです。もともと写真撮影OKのグループですから、視野が広いんですよ。ふつうの(写真撮影禁止の)グループが結成3、4年かかって獲得できるようなステージ上での目配りをすでに持ってるような感じですね。撮ってるとポージングしてくれるんですよ、なーちゃん(片瀬成美)とか結構来るんです。ステージ上で客席を見る余裕がパフォーマンスに反映しているなという気がしますね。

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