津田塾大学の学生らとともに女性の生き方について議論を交わしたハトラ・トーマスドッティル大統領(中央)
津田塾大学の学生らとともに女性の生き方について議論を交わしたハトラ・トーマスドッティル大統領(中央)
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 ジェンダーギャップ指数・世界1位のアイスランドから、ハトラ・トーマスドッティル大統領が初来日し、都内でトークイベントに登壇した。AERA 2025年6月16日号より。

【ランキング】日本は何位? ジェンダーギャップ指数

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 アイスランドは、世界経済フォーラムが公表しているジェンダーギャップ指数において、15回連続世界1位のジェンダー平等先進国だ。対して、日本は118位(2024年)に留まっている。

 5月下旬に来日したハトラ・トーマスドッティル大統領は、同31日、津田塾大学(東京都)で開催されたトークイベント「ジェンダー平等のつくりかた」(朝日新聞社、津田塾大、同国大使館共催)に登壇。約200人が集まった。

原点に「女性の休日」

 おおらかな笑顔でマイクの前に立った大統領は、まず「おはようございます」と日本語であいさつ。会場を見渡しながら、「日本でジェンダーの問題が関心をもって注目されていることがよくわかりました。女性の権利を高めることだけではなく、将来的に女性がリーダーシップを発揮できるよう、社会の価値観を変えていかなければなりません」とスピーチした。

 アイスランドも、かつては女性たちの地位が低い時代があった。同国で女性が参政権を獲得したのは1915年(日本は1945年)。けれど、その後の60年間で国会議員になった女性はわずか9人にとどまり、1975年時点では3人しかいなかった。さらに男女の賃金差は40%以上もあった。

 そんな中、女性の地位向上を目指す団体が全国的なストライキを計画。参加した女性が解雇されるなど不利益を被ることがないよう「女性の休日」という呼び名をつけ、メディアや口コミで事前に広く伝えられたという。

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