AERA 2025年6月16日号 しなこさん

 でも、ふと周りを見渡すと友達が泣きながら、すごい熱量で就活をしている。自分も同じかそれ以上の熱量でインフルエンサーっていう職業に向き合わないといけないと火がつきました。

<日常の延長ではなく、仕事として向き合うと腹をくくった。まずやったのは、すべてのSNSアプリをインストールすることだった>

 誰もやっていないようなアプリも全部入れて、毎日更新しました。たまたまそこにTikTokがあったんです。今でこそユーザーが爆発的に増えましたが、当時は30人くらいしかいないんじゃないの?ってくらい人がいなかった。私、TikTokの「初期メン」なんです(笑)。

 ほかにもいろんなことを試しました。いっぱい種をまいて、実らなかったとしてもとにかく行動する。大変だったでしょって言われるんですけど、私は良くも悪くも「中途半端主義」なところがあるから、一歩を踏み出すハードルが低いのかもしれません。それに、このときはわくわくが強くて、「絶対にこれを仕事にしてやる」っていう気持ちがありました。新しいことにチャレンジしていること自体も楽しかったんです。

(編集部・福井しほ)

※AERA 2025年6月16日号から抜粋

こちらの記事もおすすめ 「アイス片手に泣きながら帰宅」「楽屋に入れてもらえない時期もあった」 “原宿系クリエーター”しなことは何者か?
[AERA最新号はこちら]