
購入するのは現地産の日本米?
日本での高騰が続く中、海外で米を買って帰国する日本人が急増していると言われる。海外から日本へ米を持ち込む場合、食糧法や植物防疫法に基づいた検査と手続きが必要なのに、だ。土産というより買い出しといった感じだろうか。実際、どんな日本米を買っているのかを各国で聞いてみた。
タイでの駐在員経験があるYさん(54)は、月に1回ペースでタイに出張し、毎回、米を買って帰るという。
「日本からの輸入米はタイでも割安感はありません。妻から頼まれていつも買うのは、駐在員時代に家で食べていたタイ産の日本米です」
筆者も先日、タイのバンコクから帰る前日、日系スーパーマーケットに出向いた。そこでは日本からの輸入米とほぼ同じスペースをさいて、タイでつくられている日本米が並んでいた。
そのひとつ、「チェンライ 減農薬日本米 秋田小町」は5キロで380バーツ(約1683円)だ。タイ北部の街チェンライでつくられている日本米だった。
前出のYさんが買うのも「秋田小町」だった。バンコク在住の日本人女性Fさん(38)にも聞いてみた。
「タイ在住の日本人で、この『秋田小町』を買っている人は多いと思います、安いですから。私も食べています。炊きたてなら、日本からの輸入米と遜色はありません。ただ、時間がたつと少しパサついた感じになると言う人もいます」
筆者も「秋田小町」を2キロ買って帰国し、炊いてみた。味は通常の日本産米と変わらないように感じた。妻は、「これなら2キロ1000円でも買う」という感想だった。翌日、この米で弁当をつくって出社した娘からは昼過ぎに、「普通においしかった」という連絡があった。