であれば問題となるのが、ツイッターモラル自体は高まる中で、なぜ後れてしまう「一部の大学生」がいるのか。ツイッターが炎上をまねくツールであること、つまりは全世界に発信されるツールであるという理解は進んでいながら、なぜ軽率なツイートや誤解を招く発言をする学生がいるのだろうか。

 そこで参考になるのが、大学生への調査で聞かれた以下のコメントだ。

「アカウントに鍵(※特定の人しか見れないようにする)をかけず、誰に見られているかわからない状態で悪口を言ったり、不快な発言をしたりする人がいる。そういう人は、『ツイッターは好きなことをつぶやく場所』だという意識が強くて、誰にでも見られる可能性をよくわかっていない」(大学1年/女性)

「今の大学生は、中高生の時代から息を吸うようにネットで発言している。なので、逆に抵抗なくいろいろなことを言ってしまうのでは。さらに、大抵の人は、ツイッターでフォローされているのもリアルの友達が多いので、『ツイッター=公の場』という意識が薄いのかもしれない」(大学4年/女性)

●大学生の問題ではない 社会人こそ必要なSNSモラル

 ツイッターは、あくまで「公の場」で発信しているもの。それを情報として理解している学生は多いが、本当の意味で実感できていない人がいるかもしれない。特に、普段のツイッターで友達メインにやりとりしている人は、そこでの発言が、ある日ニュースでピックアップされる可能性があると心から予期できなくても無理はない。

 さらに、大学生はネットで発言することが日常的になっている人も多く、その延長線上で「公の場には適さないような発言」や、冗談では済まないような発言、誤解を生む発言を軽率にしてしまうという面はあるのではないだろうか。

 ただし、それが大学生全体の傾向とは言いにくい。あくまで一部と見ることができる。さらに山口氏は、「大学生のツイッター炎上事例は、むしろ大人世代も"自分ごと"として捉えるべき」と言う。

「社会人においても、モラルを無視した発言や誹謗中傷が大きな問題になるケースは多々ありますよね。別に大学生だけがそういった発言をしているわけではありません。それはつまり、モラルに反するツイートを大人も同様にしてしまう可能性があるわけです」

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