ブラックロック・ジャパン ウェルス・リタイアメント・ソリューション部 ヴァイス プレジデントの渡邉啓輔〈わたなべ・けいすけ〉さん(撮影・山本二葉/朝日新聞出版写真映像部)
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 ETFは新NISAで中〜上級者を中心に買われている。主要ネット証券5社で買われた東証ETFのベスト30を本誌が独自集計。【本記事はアエラ増刊「AERA Money 2025夏号」から抜粋しています】

【ランキング表】2025年新NISAで買われた東証ETFベスト30はこちら!

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 新NISAで人気の東証ETFは順位の入れ替わりが激しい。

「iシェアーズ」シリーズのETF運用で知られる、ブラックロック・ジャパンウェルス・リタイアメント・ソリューション部ヴァイスプレジデントの渡邉啓輔さんにランキングの総括をお願いした。

「全体を見て感じたのは前回(2024年1〜8月調査)の結果以上に外国株のETFと金(ゴールド)のETFが上位に食い込んでいることです。
 それらに押される格好で、日本株ETFと債券ETFの順位が下がっていますね。
 REIT(不動産投資信託)が組み入れられたETFに大きな変動は見られませんでした」

 外国株ETFの順位が上がったのは、2月下旬の「トランプ関税ショック」より前までは米国株が絶好調だったからだろう。

 なんといってもランキングトップは2025年1月10日に上場したばかりの「iFreeETF FANG+」。

 2位の純金上場信託に大差をつけている。

インドETFは減速

 米国株以外では、前回2位だった「NEXT FUNDS インド株式指数・Nifty50連動型上場投信」が10位に落ちた。

「インド株関連は上位に食い込んではいますが、勢いが落ちています。その分、金のETF(純金上場信託)が2位に躍進しました」

 本誌も金ETFの2位には驚いた。そんなに人気なのか。

「地政学リスクやインフレリスクの高まりを受け、金価格が史上最高値を更新し続けていることが背景にあるでしょう。
 13位と17位も金ETFですし、同じコモディティ(商品)として22位には『純銀上場信託』も入っています」

 銀価格は金価格の推移と相関性が高いが、金価格よりも安い。

 そのため、海外では「プアマンズゴールド(貧者の金)」と呼ばれ、金とともに投資が活発化している。とはいえ、日本ではそれほどなじみがない。

 22位の純銀上場信託もそうだが、新NISAで東証ETFを買う層は投資に慣れた実力派が多いようだ。

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