
「嫌」にピュアな視点
──寺家が紹介する天文学者のガリレオ・ガリレイの名前を聞いたエースは間髪を入れず「(体形が)細そうすぎるやろ」とつっこみ、続くガガーリンにも「細そうすぎるて!」と畳み掛ける。審査員を務めたオードリーの若林正恭は、そんなエースを「わくわくするバカ」と形容し、寺家のリズムキープ力に舌を巻いた。
寺家:台本の構成のことやと思うんですけど、文字数を数えてスピードも細かく調整しています。「そんなとこ見てくれてんや」ってうれしかったですね。「わくわくするバカ」ってのも、めっちゃいい表現ですよね。
エース:別にバカはバカなんで、わくわくしてくれるだけでうれしいです。
寺家:エースってピュアなんですよ。面白さだけじゃなく、まっすぐな美しさみたいなものもあると思っています。それを表現できる芸人って仕事はほんまに天職ですよね。
エース:寺家くんはそう言ってくれるけど、僕はよくわかんないです。自分の好きに生きてきただけやから。
寺家:それで性格や友達関係がねじれてないのがエースのすごいところなんですよ。
エース:我慢できないんですよ、嫌なこと。ある程度は自分にうそついてできますけど、宿題もまったくやらなかったし、授業中もやりたいことをやってるだけでした。
寺家:生きてたらしんどいことがいっぱいあって、「やらないとあかんからやる」こともありますよね。それを続けるうちに自分のことも嫌になって、ストレスを抱えてしまう。エースはその「嫌」に対して、本当にピュアな視点から「嫌」「おかしい」と言えるから、みんなに突き刺さる。これは出会ったときから変わらないですね。
(構成/編集部・福井しほ)
※AERA 2025年6月2日号より抜粋
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