
マンションを買うときに見逃せないのが「管理の質」だ。共用部の綺麗さや、外壁のタイルの修繕状態、管理人の勤務体制などに、将来の資産価値にも直結する重大なサインが隠されているというが……。不動産のプロが、物件を買う時に見ておきたいポイントを解説する。※本稿は長嶋修『2030年の不動産』(日本経済新聞出版)の一部を抜粋・編集したものです。
マンションの共用部には
情報がたくさん落ちている
廃墟とまではいかなくても、清掃や細かいところの手入れが行き届かず、共用部が何となく荒れている印象の中古マンションはたくさんあります。具体的には、次のような状況が見られた場合、管理に問題があると言えます。
・エントランスや廊下が汚い
・ゴミ捨て場が汚い(分別のルールが守られていない、未回収のゴミがたまっている、など)
・駐輪場・駐車場が雑然としている(使われていない古い自転車が放置されている、など)
・植栽がきちんと手入れされていない
・掲示板に古い掲示物が貼りっぱなしになっている
・共用部に住民の私物が放置されている
・あちこちで照明が切れた状態で放置されている
・多くの郵便ポストにチラシなどが大量に突っ込まれている
管理形態が全部委託管理でありながら、掃除が行き届かず何となく荒れているような印象を抱く場合、もしかしたら管理会社に問題があるのかもしれません。一部委託管理で住民が清掃を手掛けているマンションの場合は、プロに任せたときほど隅々まで掃除できていない可能性が考えられます。