梅干し入りのお茶を飲めば、体も温まる
梅干し入りのお茶を飲めば、体も温まる

 寒い冬は、体調を崩しやすい季節。風邪かどうか微妙な症状のときは、薬を飲むべきか、気持ちで乗り切るか……悩ましいところですよね。そんなとき、冷蔵庫のなかにある食材で、体をいたわってみるのはいかが。

 今回紹介するのは「おばあちゃんの知恵袋」とよばれるもので、昔から言い伝えられ、実践されていたものです。「体調がおかしいな?」と思ったら早め早めに対処して、忙しい時期を乗り切ってくださいね。

■「梅干し茶」は、梅干しを焼いてパワーアップ

 風邪気味のときの定番と言えば、「梅干し茶」。梅干しを焼いてお茶に入れるのがオススメです。中まで熱々に温めた実を番茶にほぐして入れ、好みで少し醤油を垂らして飲むと、味わいも豊かに。

 梅干しを焼くと、ムメフラールという血行を改善する成分が生まれます。一度焼いてしまえばムメフラールは消えることがないので、作り置きもOK。

 また梅干しは抗菌力が強く、疲労回復効果や、抗酸化作用を持つクエン酸などミネラルが多く含まれています。梅干し+温かい番茶で、ポカポカと温まってくださいね。

■ハチミツ+大根でのどの炎症を和らげる効果が期待

 大根を5mm~1cmくらいのサイコロ状に切り、ハチミツに1日ほど漬けると、大根から水分が出てハチミツが水っぽくなります。これが完成の目安。

 朝晩や、のどがツラいときにこのハチミツシロップをスプーン1杯分を喉に流し込むとよいでしょう。日持ちはしないので、2、3日で食べきります。

 大根の辛み成分「イソチオシアネート」は、解毒作用や殺菌作用、抗酸化作用、抗菌作用など様々な働きをします。この大根の成分と、粘膜の炎症を鎮める効果のあるハチミツが合体することで、のどの炎症や咳を和らげる効果が期待できます。

■栄養満点のレンコン汁

 生のレンコンを皮ごとすり下ろして絞ると、しぼり汁が出ます。これをキッチンペーパーなどで漉して飲みます。

 飲みにくい場合は、レンコン汁に醤油少々、ショウガで味を調え、コップ1杯(約150cc)のお湯に溶いて飲みます。ハチミツで甘くしてもよいでしょう。

 レンコンはビタミンCがとても豊富。また、ポリフェノールの一種であるタンニン、カリウム、鉄、亜鉛などが含まれ、栄養満点です。

■胃腸が弱っているときは「葛湯(くずゆ)」

 葛湯の作り方は簡単。葛粉大さじ1を少量の湯でよく溶いて、さらに100~150ccの熱い湯を足します。

 好みで砂糖やハチミツ、ショウガ、ユズなどで味付けしましょう。

 漢方薬の葛根湯も葛が原材料ということから分かるように、葛には体を温める効果や解熱発汗作用、整腸作用など様々な効果があります。このため、下痢のときにも葛湯は効果的です。葛湯は胃にやさしく浸透し、消化がよいことでも知られています。

■滋養満点ドリンク「卵酒」

 卵1個をよく溶いて、砂糖大さじ1混ぜます。コップ一杯分の日本酒を温め、溶いた卵の中に少しずつ入れていきます。酒が熱いと卵が固まってしまうので、飲みやすい熱さまで冷ましてから混ぜましょう。

 卵は良質のタンパク質が豊富に含まれ、滋養満点。日本酒で体も温まります。

※ お子さん、妊婦の方、薬を飲んだ方は、アルコール入りの卵酒は飲むのを控えましょう。

 今回紹介したのは、風邪の引き始めの予防薬のようなものです。症状がひどい場合は、医師にきちんと診てもらってください。

 風邪をひきやすいこの季節、昔から伝わる民間療法で体を温め滋養をつけて、たっぷり睡眠をとってくださいね。

※配信後、記事の内容を一部修正しました。