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 じつに人口の29.3%が65歳以上の高齢者となる日本において、介護の充実は避けられない課題ですが、介護の現場を取材しているノンフィクションライターの甚野博則氏は、ケアマネジャーの「高齢化」に危機感を抱いているといいます。

介護の「司令塔」ともいえるケアマネジャーが、なぜ人材不足になってしまうのか。その理由と打開策について、甚野氏の著書『衝撃ルポ 介護大崩壊 お金があっても安心できない!』から、一部を抜粋・編集する形で解説します。

高齢者の割合が「世界でも突出して高い」日本

 日本は世界で最も高齢化が進んでいる国だ。その日本の介護現場が崩壊に向かいつつあることは、データや推計からも容易に見て取れる。

 すでに高齢者の人口増加は、日本全体の問題として浮き彫りになっている。

 2024年9月、総務省統計局が発表した「統計からみた我が国の高齢者」によれば、日本の総人口は減少傾向にあり、前年に比べて59万人も減少している。

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