人気が高いのが、28歳となった板倉滉(ボルシアMG)だ。守備の要としての存在感をさらに高めた今季は、攻撃面でもボレー弾やドリブル弾など印象的なシュートで公式戦4得点をマークしている。ドイツ国内での評価を確かなものになっており、王者バイエルンを筆頭に複数クラブが獲得に興味を示している。年齢的にもビッグクラブへ移籍する絶好のタイミングであり、現在の年俸と知名度、センターバックとしての「格」をさらにアップさせたいところだ。また、今季ブンデス1部初年度で2ケタ得点到達の町野修斗(キール)も退団からのステップアップ移籍が濃厚。ドイツ国内が有力視されているが、移籍金の手軽さもあって人気を集めそう。また、海外挑戦1年目ながらドイツ国内で「今季最高の補強10人」にも選出されるほどのインパクトのある活躍を披露している佐野海舟(マインツ)にも早くもビッグクラブ移籍への話が沸き起こっている。

 イタリア・セリエAでは、現在22歳の鈴木彩艶(パルマ)の動向が注目されている。移籍初年度で下位に低迷するチームの中で多くのシュートを浴びたが、それを自らの成長とアピールチャンスに変える形で好パフォーマンスを披露。優れたシュートストップ能力とロングフィートという武器をGK大国の目の肥えた現地ファンとメディアに認めさせた。その鈴木にはマンチェスター・ユナイテッドなどの欧州メガクラブから関心が寄せられている。ただ、自身の活躍もあってパルマが残り2試合を残して1部残留圏内16位(降格圏18位とは勝点4差)にあり、まだステップアップを慌てる必要はないかも知れない。

 さらにフランスのリーグ・アンで飛躍を遂げた中村敬斗(スタッド・ランス)にも今夏の退団濃厚報道があった。得点力を備える将来有望なドリブラーだった存在から今季はスケールアップを遂げ、リーグ戦11得点2アシスト(公式戦12得点3アシスト)という目に見える結果を残している。ウイングストライカーとして、そのシュート精度、得点力の高さは日本代表の中でもトップレベル。現在24歳という年齢も相まって人気銘柄になっている。また、スタッド・ランスは最終節を残した段階で1部残留を決めることができておらず、万が一2部降格となれば、伊東純也、関根大輝の去就にも影響を及ぼしそうだ。

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