その他、新たに“クローザー”としての役割を全うしてプレミア制覇に貢献した32歳の遠藤航(リバプール)も、控え選手として不可欠な選手にはなったが、本人がスタメン出場を望むのであれば他クラブへ移籍する必要性あり。故障による長期離脱で今季公式戦出場1試合(6分間)のみの冨安健洋(アーセナル)も、取り手が現れれば売却される可能性は大いにあり、実際にイタリアの複数クラブが関心ありとの報道がある。現在26歳の冨安自身にとっても、温暖な気候で食事面も異なる国でプレーすれば、故障過多の現状から抜け出せるかも知れない。

 スペインのラ・リーガで注目なのが、久保建英(レアル・ソシエダ)だ。すっかりサンセバスチャンと相思相愛の久保だが、今季のソシエダは5月13日時点で12位と低迷しており、トップチームを6年半率いたイマノル・アルグアシル監督の今季限りでの退任も発表された。そもそも久保への期待値はソシエダのクラブ規模に収まらず、欧州メガクラブで活躍する姿をファンは期待している。これまでのキャリアを考えるとラ・リーガでのプレー継続がスムーズだが、スペイン国内でソシエダ以上のクラブとなるとレアル・マドリー、バルセロナ、アトレティコ・マドリーの3チームになり、プレミア王者のリバプール移籍の噂も上がっている。今季フィジカル面で大きく成長した姿を見せている久保ではあるが、プレースタイル的にプレミアリーグにどこまで適応できるかどうか。ただそれも選手としてスケールアップするチャンスではある。来月4日に24歳となる久保の決断が注目される。

 ドイツ・ブンデスリーガにも多くの日本人選手がプレーしており、それぞれ今夏のステップアップが噂される。現在26歳の堂安律(フライブルク)は今季、攻守にワンランクアップしたプレーで公式戦35試合に出場して9得点9アシストをマークし、その活躍ぶりにドルトムントやフランクフルトが食指を伸ばしていると報道されている。今夏の退団濃厚の報道がされているが、フライブルクは残り1試合を残して来季の欧州CL出場圏内の4位(ドルトムント5位、フランクフルト3位)。最終的な順位が今夏の決断にも大きく関わってきそうだ。

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