大逆事件で刑死した管野須賀子と関東大震災後の混乱の中で虐殺された伊藤野枝。明治時代に生まれ、逆風を受けながらも女性解放のために動いた二人の生の軌跡を丹念に追った一冊だ。 年齢差は14歳ながら生前は交わらなかった二人。だが、管野の刑死の翌年に伊藤が論壇にデビューしたのは歴史の必然なのだろう。二人は生い立ちこそ異なるが、ともに世間や国家権力に押しつぶされそうになりながら、もがき、個人の自由を目指…

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