
過去の園遊会では、秋篠宮家の長女の小室眞子さん(当時は内親王)や次女の佳子さまの着物の袖などをさり気なく整えるなど、「頼れる着物通のお姉さま」といった横顔ものぞかせる。
昨秋の園遊会では、朱や青など鮮やかな大小の紅葉があしらわれた訪問着をお召しであったが、こちらもかつては華子さまが着用されていた品だった。
この春の園遊会で彬子さまが選ばれたのは、晩春に咲く牡丹が描かれた訪問着。
前出の原さんは、こう話す。
「ふんわりと柔らかな染の訪問着です。牡丹は晩春に花をつけますが、季節が短いため牡丹柄の着物をよくお持ちだと感心しました。合わせたのは西陣の帯。豪華な檜扇に躍動感のある紐を組み合わせた見事な構図。着物も帯も受け継がれた良いお品と、拝察します」

彬子さまといえば、和装小物の取り合わせも見事。
昨年は、希少な扇型のべっ甲細工の帯留めが注目を集めた。今年は、木彫の帯留めを合わせ、全体がクラシカルに統一された印象だ。
4月27日、学習院の博物館で講演した彬子さまは、生前の三笠宮妃の百合子さまから服飾の決まりごとなどについて話を聞いたことを明かし、「伝統のバトンを受け取ったからには、(略)バトンを次に渡す努力をしていかなければと思っております」と、話された。
若い世代の女性皇族の存在感は、ますます高まりそうだ。
(AERA 編集部・永井貴子)