
「本当は行きたくないけど、断ったら嫌われそう……」
飲み会や食事の誘いを断れず、なんとなく流されてしまう。そんな経験はないだろうか。実は多くのお金持ちは“誘いの断り方”を心得ている。しかも、相手に不快感を与えず、むしろ信頼を損なわない方法で。彼ら彼女らは何を考え、どう行動しているのか。本記事では、一般財団法人「自己肯定感学会」代表・中島輝氏の『なぜあなたはお金持ちになれないのか』(朝日新聞出版)から、一部抜粋してお金持ちの断り方を紹介する。
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気が進まない飲み会に誘われたら
誰からも声をかけられなくなったらおしまい、とは思うものの、気の進まない集まりに誘われるのも困ったものです。
そんなとき、お金持ちの対処法を参考にしてみてはいかがでしょうか。
一般の人が「気が進まない」と感じるのは、自分の感情に左右されているからです。私はこれを「短期的な感情」と考えています。
短期的な感情に従って、イヤなものはイヤ、でもストレートに断ると角が立つから何か理由を考えなくちゃ、と思うわけですね。お金持ちは、短期的な感情に従って行動することがほとんどありません。視点が常に中長期的だからです。
だからイベントや飲み会、パーティーなどに誘われたときの判断基準は、「気が進むか進まないか」ではなく、「中長期的に見た場合、自分にとってメリットがあるかどうか」になります。
①「大人の正直」で断る
メリットになると思えば参加しますし、中長期的視点に立った場合、自分の人生に影響を及ぼすようなインパクトはないな、と判断した場合には、相手に失礼にならないように丁寧にお断りを入れます。
正直に、なおかつはっきりと「参加しない」旨をお伝えしますが、もちろん「気が進まない」とか「メリットがないから」などとは口が裂けても言いません。「正直」はあくまでも「大人の正直」で、理由を詳しくお伝えするかどうかは、そのときどきで判断します。
たとえば、大人がお誘いを断る場合の口実によく使われるのが「家庭の事情で都合がつかない」という文言ですが、実際にはもっと細かく、「実家の親が●●の状態で」 などと細かく説明したほうがいい場合もあります。
そのあたりの加減をお金持ちはよくわかっていて、相手にとって重要なお誘いであればお断りの理由をできる限り具体的にし、軽いお誘いであればさくっと「あいにく実家を訪ねる用事があって」などとあ いまいなお断りの仕方をします。
② まっとうな計算高さで判断を
ここまで読んで、「お金持ちって計算高い……」と感じた人も多いのでは ないでしょうか。
そうなんです。実はお金持ちは計算がとても上手な人たちなんです。
「計算高い」というと打算的で利己的なイメージがありますが、必ずしもそうとは言えないと私は考えています。だって時間は有限なのです。いちいち全部のお誘いに応えていたらきりがありません。
そこで重要になるのが、「きちんと計算して行動すること」です。むやみやたらと自分の得になることだけを考えるのではなく、「人の役に立つことをするために、今、自分のそれが必要かどうか」を中長期的に判断することが大切です。
お金持ちはそういう意味で「計算高い」と言えます。 「まっとうな計算高さ」と言えるのではないでしょうか。
(一般財団法人自己肯定感学会代表・中島輝)
