AERA 2025年5月5日-5月12日合併号より

 昨年末は久しぶりにNHK紅白歌合戦レコード大賞に出演。JIROは「20代の忙しかった時期より今の方が圧倒的に楽しい」と口にした。

TAKURO:90年代後半は休みもなくすべてをGLAYに注ぎ込み、多くの称賛を得て経済的にも潤いました。充実感を得るメンバーもいれば、そういう目的でGLAYをやっていないと思うメンバーもいて歩幅を合わせることに苦労しました。「そもそも僕たちは自分たちが今日生きられるだけの食べ物があれば良かったはずじゃないか」という原点に立ち返り、足並みを揃えていきました。

私生活を大事にする

TERU:20代はGLAYを広げるために必死でした。30代に突入して周りを見渡せるようになった頃、音楽活動を続けるためには私生活を大事にしなければいけないことに気付いた。そこからはレコーディングを夕方には終えて生活リズムを整える方向にシフトチェンジした。僕の場合、趣味の絵を描くことに時間を充てられるようになり、音楽とは違うアウトプットができたことでリラックスできるようになりました。ここ10年ぐらいとても良い歌を歌えている自覚があるのは私生活が充実しているから。

JIRO:自分のことで手一杯だったところから、ファンの方たちの心境を考えられるようになったのも大きな違いです。2007年頃に今のチームになってから徐々に僕たちの意向と事務所の意向が噛み合うようになり結束力が生まれていったのも大きかった。

TAKURO:音楽より先に人生がある方が楽しく過ごせる。レコーディングが遅くなって家族に弁明するようなことがない方が良い人生なのではないかと思うようになりました。良い曲だから売れるわけでもなくて、メンバーやスタッフとの信頼関係があってこそ売れる曲が生まれます。曲が売れたら感謝はしますが、売れなくても自分を含めて誰かを責めたことはありません。ヒット曲は神様のくじ引きみたいなものなんです。

(構成/ライター・小松香里)

AERA 2025年5月5日-5月12日合併号より抜粋

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