「小さい頃に抱っこしてもらったことがあるみたいなんですけど、まったく記憶になくて」と語るハマ・オカモトさん(撮影/品田裕美)

 さっきも言ったように皆さんすごく上手いんだけど、バカテクをひけらかすのではなくて。全員がYMOのコンセプトを理解したうえで演奏している。言い方が合っているかわからないですけど、“YMOをやるのが上手い”という感じがしますね。あと、皆さんが楽しそうにやっているのもいいですね。いろんな流れがあって世界に出ていくことになって。ツアーの写真を見ても「思ったよりも楽しい」という雰囲気が伝わってきます。ライブは必死だったと思いますけどね。シンセやコンピューターが止まっちゃうこともあっただろうし、カッコつけている場合じゃなかったと思うので。

――いちばん楽しそうなのはゲストミュージシャンとして参加した矢野顕子さんかも。

 矢野さん、すごいですよね。フレーズにも余裕があるし、本当に楽しそうに演奏していて。矢野さんが参加したことで、バンドの雰囲気もかなり変わったんじゃないかなと思います。

教授には「小さい頃に抱っこしてもらったことがあるみたい」

――ハマさんは細野さんと交流がありますが、坂本さん、高橋さんとの思い出は?

 教授のことを知ったきっかけはたぶんコントですね(笑)。小さい頃に抱っこしてもらったことがあるみたいなんですけど、まったく記憶になくて。実際にお会いしたのは、2011年の『WORLD HAPPINESS』(高橋幸宏がキュレーターをつとめた野外音楽イベント)。OKAMOTO'Sで出演させてもらったんですけど、そのときに教授と初めてお会いして。“覚えてる? 覚えてないか”と言われたのが、最初で最後です。幸宏さんと最後にお話したのは、2019年の『イエローマジックショー3』(音楽バラエティ番組『イエロー・マジック・ショー』から派生したイベント)ですね。学生服を着てコントをやったんですけど(笑)、幸宏さんに“学生服似合うな”って言ってもらって」

――YMOはコントも好きでしたからね。

 根本にユーモア、冗談のセンスがあるのもYMOの魅力ですよね。あんなにカツラを被るのが好きな人たちもいないでしょうし(笑)。

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