西成署前に集まって声をあげる日雇い労働者ら=1972年5月1日、西成区

 あの頃と今で何が違うのか。大谷さんはこう指摘する。

「昔は『暴力手配師』がいて、劣悪な飯場があり、わかりやすい悪だった。今は肩寄せ合って生きる人たちを囲い込む、システム化された『貧困ビジネス』など、より目立ちにくい悪となった」

 10年以上前に大阪市の「西成特区構想」がスタート。カマの不法投棄や放置自転車は減り、街頭の防犯カメラは増えたが、こうも感じるという。

「社会問題のひずみが真っ先に現れるが、どんな人もここに来れば生きていける『日本社会のクッション』でもあるのがカマ。行政が重点的に予算をつけて環境改善するというが、放っておいたらいいのにという違和感もあるんだよなあ」

(好評発売中の書籍『西成DEEPインサイド』より抜粋)
 

5/10(土)「西成DEEP潜入トーク」in大阪ミナミ 開催!

大谷昭宏さん出演! 書籍『西成DEEPインサイド』発売を記念し、大阪ミナミにてスペシャルトークイベントを開催します。2018年に西成に潜入し、『ルポ西成』の著者でも知られるルポライター・國友公司さんも登壇! 2人の「西成DEEP潜入トーク」にご期待ください!

【5月10日(土)「西成DEEP潜入トーク」in大阪ミナミ】

日 時:2025年5月10日(土)17:00~(開場16:30)

会 場:ロフトプラスワンWEST(大阪ミナミ)

入場料:前売2,500円/当日3,000円(共に1オーダー必須)

ネット配信:2,000円(アーカイブ:2週間)

※配信サービスの仕様上、放送の遅延などが発生する場合がございます。

アーカイブは遅延なくご覧いただけますので予めご了承ください。

※会場にて本の物販あり

▼チケットはこちら<ロフトプラスワンWEST>

https://www.loft-prj.co.jp/schedule/west/314114

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