
日本プロ野球の未来は大丈夫なのだろうか。NPBが2月1日から導入した「写真・動画等の撮影及び配信・送信規程」が大きな波紋を呼んでいる。選手会からの申し出などもあり議論はされているようだが、変化の兆しは見えない。今後へ向けて最も注力せねばならない問題のはずだが……。
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NPBは当初の決定通り、「個人が撮影したプレー中の写真・動画をSNS等へ掲載することを制限する」方針を変えないようだ。
現状では、プレー中の選手を撮影してSNSへ投稿することは禁止。またプレーが止まっている時(ボールデッド時)に限り、試合後には写真と140秒以内の動画は投稿できる、といった規定が定められている。
「多くの人は規則の詳細を理解していないようで、スタンドでは従来通りにプレー中にスマホを構えている人を見かける。その都度、声掛けするわけにもいかないし、不快な思いをさせたくないので対応は難しい」(在京球団運営担当者)
ネット上に自らが撮影した試合を投稿して利益を得る人も増えている。NPBが主張するように放映権の侵害行為であり対応は必要だ。しかし今回の一方的な規制方法に対しては、「混乱が起こるのは当然」という声は多い。
「『見せしめ』的な部分もあったが、日本ハムはNPBから早々と改善勧告を受けてしまった。同件に関しては今後もさまざまな問題が出てくるだろうが、現状ではファンの気持ちが無視されている感じもするが……」(在京球団運営担当者)
日本ハムはファンの声を尊重する形で従来に近い対応をしてきた。しかし3月26日付でNPBから改善勧告を受け、のちに謝罪することとなる。「引き続き、本件に関しては、NPBならびに関係各所と規程の在り方について協議したいと考えています」(日本ハム)とコメントしたが、NPBの意向に従うようだ。
「規則が把握できないので投稿しないことにします」と寂しそうなファンがいた。「NPBは放映権料を払ってくれる放送局やスポンサーの方を向いている」という言葉も続けて出てきた。