なかやまきんに君(朝日新聞社)
なかやまきんに君(朝日新聞社)

“ラストマッスル”と自ら豪語

 報道直後はスキャンダルによるダメージが心配されたが、きんに君はそれをはね返す強運ぶりを発揮する。

「今年に入り、中居正広氏の性加害問題に端を発したフジテレビ騒動の後、大手企業は続々とフジテレビへのCM出稿を取りやめ、フジの番組はACジャパンのCMだらけになりました。そんな中、きんに君がいつものいで立ちで『なかやま、検脈んです! みゃーーーく!!』と訴えかける日本心臓財団のCMが大量に放送されました。ときに批判されることも多いACのCMですが、SNSでは『不快感がなくてよい』『きんに君大勝利』『筋肉はやはり裏切らない』など好意的なコメントが多く上がりました。もともとキッズ人気が高かったきんに君ですが、この一件でさらに子どもへの認知が高まった印象です」(同)

 すべてのタイミングで“神風”が吹いたような幸運に恵まれるきんに君。しかし、過去には挫折の過去もある。デビューして数年後、2000年代半ばに同じ筋肉キャラのレイザーラモン・HGの人気が爆発。キャラ被りで仕事が激減するなか、06年に「筋肉留学」と称して、アメリカに旅立った。

「アメリカの大学で運動生理学を学んだそうですが、授業は全部英語な上、カリキュラムもかなりハードだったそうです。筋肉留学と銘打っていたものの、ガリガリになって帰国した彼の姿に驚いた方も多かったでしょう。留学は計2回、およそ3年間ほぼテレビから消え、世間からは“干された”というイメージがついてしまい、ますます露出が減りました。しかし、きんに君は時間があることを逆手に取り、筋肉増強のためのトレーニングに専心し、15年にはボディービルダーとして大会デビューしました。そして21年、ついに東京ノービスボディビル選手権大会で優勝を勝ち取り、この頃から風向きが一気に変わりました」(民放バラエティー制作スタッフ)

 加えて、コロナ禍ではエクササイズ動画などを中心に注目を集めるようになり、バラエティー出演も急増。本格的にブレークしたことは記憶に新しい。最近ではサバンナ八木やマジカルラヴリーの野田クリスタルなどマッチョ系芸人がひしめく中、自身を“ラスト・マッスル”と呼び、自分以上の筋肉芸人は出てこないと豪語している。

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