
1995年に「TOMORROW」でデビューし、今年芸能活動30周年を迎える岡本真夜さん(51)。デビュー曲にまつわる秘話や葛藤を聞いた【前編】に続き、【後編】ではあまり語られることのない結婚生活や家族のこと、メニエール病を発症したことなど私生活を中心に話してくれました。
* * *
岡本さんは2000年、25歳のときに結婚した。「結婚は30歳ぐらいでできればいいかな」と思っていたというが、「タイミングですね」という。結婚によってキャリアが途絶える、という考えはなかったという。
「デビューして5年ぐらいのときで、けっこういろんなことに悩んだりしていたので、『一度お休みしたいな』と思ってもいたんです。私は自分がこう思ったらこう、と行きたいほうに突き進んでしまうところがあって、結婚したらファンが減るかもしれなかったんですけど、正直、そこはあまり気にしていませんでした」
結婚した年の11月に第1子となる男の子を出産。出産後3カ月でレコーディングを再開するなど、翌年には活動復帰していた。妊娠や出産によって体の変化や、声が出にくくなったことはありましたか、と聞くと、それはなかったという。
「それよりも、2010年ごろにメニエール病を発症したときのほうが大変でした。人間関係で悩んで、ストレスが大きくかかったのが原因でした。声が出なくなって、音も聞こえづらくなってしまって。回転性のめまいで歩けないこともあって、レコーディングを中断することもありました」
歌手にとって音が聞こえづらいこと、声が出ないことは致命的だ。だが焦りはしたものの、岡本さんは前を向いていた。
「1%でも可能性があるなら頑張りたい、というタイプなので、年数はかかってもいつかまた歌いやすくなるように頑張ろう、とは常に思っていました」
薬を飲み、できるだけ安静にして療養を続け、半年ほどで医師からも「完治した」と言われた。その後はライブも再開し、再び順調に活動できていたように見えた。しかし、最近同じくメニエール病を経験した人に「真夜さん、聞こえてない部分があるんじゃないですか」と指摘されドキっとした。病院でも「もう大丈夫です」と言われていたため、聞こえていない領域があるとは思っていなかったのだ。