
4月13日に開幕した大阪・関西万博は初日から雨模様。そのせいで、風雨や行列に弱い“欠陥”がいきなりあらわになった。
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開幕の13日、午前中は小雨が降ったりやんだりの不安定な天気だった。
大阪府と大阪市が出展する「大阪ヘルスケアパビリオン」のオープニングイベントで挨拶に立ったのは、日本国際博覧会協会の副会長でもある大阪府の吉村洋文知事と、大阪市の横山英幸市長。吉村知事は横に立った大阪市の横山市長を指さして、
「横山市長は雨男。さっきまで雨降っていなかったのに、横山市長と一緒なら雨が降る」
と笑いをとろうとするが、その後、雨は次第に強まり、横なぐりの強い風も吹き始めて傘が役立たなくなった。まったくしゃれにならない。
リングの「雨よけ」機能を語っていた吉村知事
万博のシンボルである「大屋根リング」の上には、開門直後から遊歩道を目指してのぼる人が多かった。上にのぼるエスカレーターは大行列だったが、昼前頃から雨が強まってくるとビルの3、4階に相当する高さ12メートルのリングの上は風が強く、傘をさしても雨に濡れ、耐え切れず降りる人ばかりになる。上下運行されていたエスカレーターは下りの一方通行になったが、それでも行列ができていた。
リングの総工費約350億円が「高すぎる」と批判されたとき、吉村知事は府議会で反論するように、
「雨よけや暑さ対策としての屋根の機能に加えまして、来場者の主動線を強化し、会場内の混雑緩和や移動の円滑化に寄与するなど、来場者の安全性、快適性向上に資する」
などと述べていた。
しかし、海の上の万博とあって風が強く、リングの屋根が高いこともあって、雨が横から吹き付け、まったく「雨よけ」になっていない。リングの下にいても傘をささないとびしょびしょに濡れる。多数設置されている木製ベンチも雨で濡れて役に立たない。傘が吹き飛ばされそうな人や、足元が雨で不安定でおぼつかない人の姿もあった。
「リングは雨よけになるんやないのか、吉村知事の話と違うがな」
と文句を言う人もいた。
リングの上から雨が漏れる場所もあり、万博協会も開幕日のうちに、リングの雨漏りを修復することを公表している。