
「トランプ関税ショック」で株式市場が揺れに揺れている。トランプ米大統領があらゆる貿易相手国への関税引き上げを発表すると、世界経済が後退するとの懸念が高まり、世界の株式市場は大暴落。4月7日の東京市場では日経平均株価が一時2900円超下落し、3万1000円を割り込んだ。9日に相互関税の一部について、90日間、一時停止すること発表したが、乱高下は続いており、予断を許さない状況だ。成功している個人投資家はこの乱高下をどう捉えているのか。米国株投資で成功し、総資資産が3億円を超えたナスダッ子さん(63)に話を聞いた。
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――この乱高下を投資家としてどう見ていますか。
米国株投資を始めて8年目ですが、相場のパニック的な売りを経験するのは4度目になります。1度目は自分自身が“狼狽売り”をしてしまい、買い戻せずに投資をやめようかと思いました。2度目はその教訓から必死に耐え、3度目は淡々と耐えたけれども「これで良いのか」という迷いも多少ありました。そして「トランプ関税ショック」。今回はなんの迷いもなく心の中は無風でした。「狼狽売りはしない」という自分流の投資ルールがあります。たとえ下がったとしても長期で上がり続けると信じた銘柄しか買っていないため、こういう時こそ耐えることができます。3億6000万円あった資産が一時は8000万円ぐらい減りましたが、今は3億1000万円ぐらいです。2022年に米連邦準備制度理事会(FRB)が大幅な利上げを実施して米国株が大幅下落した時に次ぐ減り方でした。
「もう株なんてやるもんか」
――今回は多くの投資家が売ったのではないでしょうか。
これは私の見方ですが、こういう時に売るのは2つのパターンの投資家がいると思います。資産がマイナスになってしまって「これ以上下がるのは嫌だ」「もう株なんてやるもんか」という理由で投げ売りする<株なんてこりごりタイプ>。「もっと下がるだろうから、安く買い戻して損をチャラにしたい」と<もっと狙うぞタイプ>。