投資は相場の下落を恐れず成功するまで待つことができれば、楽しくなると思います。リスクが付きまといますが、含み損が出た時点で売ることを繰り返すうちは、うまみも面白みもない投資になってしまい、資産はどんどん減ってしまう。トレードが多くなる人は長期投資を目指していても下げには付き合いたくないからひとまず売って、同じ銘柄で買い戻そうとする。私は過去にハイテク株が暴落した時に売ってしまって、買い戻せなかった。その時の「買った後悔よりも売った後悔」で得た教訓があるので、こういう時こそプライドを持って待ち続けます。
――確かに、買い戻した株がさらに下がると落ち込みますね。
そうなんです。底だと思って足をつけたら底が抜けた、みたいな(笑)。企業の業績の将来性を信じて長期に保有する投資のほうが自分には向いています。確かに今回のトランプ関税ショックで8000万円も含み損が出ましたけど、これで良いと思っています。何ひとつ全売りはしていません。
今のうちに買っておく
――自分流の投資法を持っている人は強いですね。
株式投資をやっているとだんだん欲が出てくると思います。私は50代後半で投資を始めた専業主婦でした。今でも投資の基本を忘れないようにと思っています。流されないし動じないのも、初心を忘れていないから。それに何より投資が面白い。自分が信じた銘柄しか買っていないから、その株価が上がったり下がったりするのも、子どもの成長のように見守っていられるんですよね。
――まだまだ下がるという予想もあります。
もう一度株価が下がる“二番底”が来るかもしれないという話がありますが、過去のコロナショックのときも“二番底が来る”とよく言われていました。実際にはそのまま回復してしまい、結局、買い時を逃してしまった。だから今回は、また株価が下がるかもしれなくても、“もっと下がるのを待つ”ということはしません。欲しい銘柄が出たら今のうちに買っておくことにしています。