
<スポーツは何かできた方がよいと思います。また、ある程度つつましく、一方、聞かれた際には自分の考えをいえる人がよいと思います。語学もできた方がよいと思います>
帰国途中、米国では「お妃の理想像」を問われ、こう述べた。
<プリンセスとしては、控えめであることは必要だと思いますが、自分自身の意見をしっかり持っていることが貴重だと思います。また外国語はできた方がいいと思います>
“気さく”がデフォルト
これは完全に雅子さまへの道だ。言い換えるなら、女性の自己主張を評価するようになったことで、雅子さまへの道が開けた。ジェンダー平等の先取りが、令和へとつながった。
浩宮さまが繰り返し理想の女性について聞かれたのは、「将来天皇になる人の結婚は、国民的関心事」だということが前提だ。悠仁さまも20歳を過ぎれば、「理想の女性」を何度も聞かれることになるのだろうか。皇室を取り巻く環境は大きく変わっている。皇室に嫁ぐ女性のことを思うと、悠仁さまの苦難の道を思ってしまう。

とはいえ、悠仁さまは高校生になったばかり。入学式当日は1人で記者団の前に立ち、「学業に励みながら、興味を持っていることや関心を持っていることを、さらに深めていきたいと思います」など、明日からの抱負を述べた。
その後に女性記者が聞いたのが、「新しい制服はいかがですか?」。ところが、筑付には制服がない。悠仁さまの答えは「スーツ、スーツなんですけど」。
これを受け、「悠仁さま高校生活スタート “ハプニング”にも気さくに」と報じたのは、FNNプライムオンライン。そう悠仁さまは、女性への対応も“気さく”がデフォ。共学育ちのなせる技。
ぜひこのまま、気さくな高校生活を。密かに応援している。
(コラムニスト・矢部万紀子)
※AERA 2022年4月25日号より抜粋