人間テストのようなデートを繰り返した挙句…
もうひとりの童貞は風俗にも行かないつるっと綺麗な完全なる童貞で、彼にとってのハードルは、女性は金目当てだったり名誉ある人や有名人と寝ることが目当てだったり学歴だけみていたりして、なかなか信用できないということ。彼の理想は彼の肩書やお金ではなく内面的な魅力をしっかり愛してくれる優しい女性らしいですが、「一見優しそうに見えても実は強欲で計算高い人はよく漫画とかにも出てくる」「近寄って来られると何が目当てなのか不安になる」と言って基本的になかなか深い仲になりません。
時折女性と二人で出かけることがあっても、付き合うにあたって「見極めたい」ところがありすぎて、人間テストのようなデートを繰り返した挙句、何かしら彼の想定している理想から外れたところがあると、何か文句を言っては「切る」ことを繰り返してきたそうです。女性の側としてもそんな試されるようなことを続けられたら、よほど気に入っていたとしても耐えられない気がしますが。
一見彼女がいてもおかしくないような風貌でありながら女性とお付き合いしたりセックスしたりすることに発展しない彼らの特徴は、相手についての理想や願望だけはどんどん積み上がるのに、その相手といる自分について想像が及んでいないことだと思います。どんな人なら付き合えるかな、どういう人だったら僕に釣り合うかな、どんなタイプなら楽しいかな、信用できるかな、後悔しないかな、なんてことを考えているうちは、運よく女性と付き合ったところで、理想と違う言動にいらいらしたり、冷めてしまったりしてうまくいかないと思うのです。
そんなことより、理想のカップルや付き合いというものがあるのならば、その理想像の、相手ではなく自分の方にズームインしてみるほうがいいと私は思います。いいなと思う女性のタイプがあるなら、彼女と付き合った場合の彼女の言動ではなく自分の言動や見た目などを想像してみるのです。彼女の隣に見合うのはどんな人間か、そういう人間がとるべき行動を自分が取れているか、果たして自分は自分の理想である彼女が選ぶような人間か、という発想から自らを省みてみれば、少し行動や現状が変わってくるような気がします。