
土屋アンナさん(41)が、芯の通った女性になったのには、母親の土屋眞弓さん(67)の存在が大きいのだという。アンナさんと眞弓さんの親子に「子育てを通して学んだこと」「まっすぐな子どもに育つ秘訣」について語ってもらった。





※【前編】<3度の結婚で子ども4人の母親、土屋アンナ41歳が語る 「ママっぽくない」私が大事にしていること>より続く
* * *
母がいなければ、“自由なだけの人”になっていた
――アンナさんの子育ては、お母さんから学んできたところもあるのですか?
いっぱいあります。母は着物の着付け師。書道は師範にもなっていて、「ここにあったものは、元の場所に戻しなさい」というきっちりしたタイプ。私とは全然違う性格だけど、厳しい教育を受けていなかったら、私は“自由なだけの人”になっていたと思うんです。「人として大切なこと」や「ナイフとフォークの使い方」といったマナー、TPOもきちんと教わってきました。
なかでも、母から引き継いでいるのは、「人を守る力」。母は他人のことも守る。昔から母は私の友達の相談にものっています。私の友達のことも、自身の子どものように考えてきた姿を見て、「守りたいと思ったものは、守ればいいんだ」ということを教わりました。
――お母さんは、個人事務所の社長でアンナさんのマネジャーもされています。プラス面は?
絶対に裏切らないことですね。親なので、嘘がない。
私が働けなくなったら母も仕事がなくなり、一緒に収入源を失うかもしれない。だけど親子だから、「また共に違うことをやればいい」と思えるのは大事。他の人だと、その人にも家族があるから、私の仕事が続けられなくなったら……といったことを考えてしまいますからね。
――ここからは、眞弓さんにも加わっていただきます。アンナさんが幼い頃に離婚されて、女手一つでアンナさんと2つ上のお姉さんを育てられました。
眞弓:アンナの子育ての話を聞くと、自分も本当は自由な子育てをしたかったし、私自身ももっと自由になりたかったのだと、60代になってから、やっとわかった感じかな。
私は昭和一桁生まれの父と母を持ち、両親はどちらも完璧な人。私が長女を産んだとき、「母がやったように私もやらなくちゃいけない」と気負いました。お手本がそこしかないから、頑張りすぎてしまって、“本当の自分”じゃなくなった。背伸びして「いいお母さんをやろう」というのもあるのだけど、一生懸命やりすぎて、子どもたちにも厳しくしすぎちゃった。2人が大きくなってから反省しました。