便意を催しトイレに飛び込むも満室、誰も出てこず脂汗──。誰しもこんな経験をしたことがあるだろう(写真:iStock / Getty Images Plus)
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 便意を催しトイレに飛び込むも満室、誰も出てこず脂汗──。誰しもしたことがあるこんな経験。個室数の男女差、そして公共トイレが快適になるにしたがって、長時間使用も問題になっているという。AERA 2025年4月14日号より。

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 駅や商業施設のトイレの行列を巡る議論が、SNSなどで活発だ。これまでもしばしば話題になったテーマだが、今年1月、「なぜ女性トイレだけ行列? 706カ所調べてみたら…」という朝日新聞の記事が大きな反響を呼んだ。都内在住の女性が公共空間のトイレ706カ所を調べたところ、9割以上で男性用の方が便器数(男性は小便器を含む)が多かったとして、不均衡の是正を求めている。

 ここに異論はない。絶対的に女性用トイレが足りない施設も多いだろう。行列に並ぶ妻を長時間待ったこともある。だが、一方で思うことがある。男性に対しても、だ。いったい、トイレで何をしているのですか──。

便意を耐え脂汗が

 急に便意を催して、デパート2階のトイレに飛び込む。しかし、5室ある個室は満室。すぐに誰か出るだろうと待っていたが、3分、4分と経ってもひとつも空かない。待っていることを伝えようと咳払いをし、脂汗をにじませながら必死に耐える……。こんな経験を何度したことか。もちろん、体調が悪い人、障害があって時間がかかる人、いろいろな人がいる。女性の場合は男性よりも服の脱ぎ着に時間がかかるし、生理用品の交換が必要な人もいるだろう。それにしても、必要以上に長時間居座っている人もいるのではないか。ちょっとスマホをいじるくらいは私も覚えがある。しかし、みんなトイレで何をしているのだろう。そう思って周りに聞くと、いろいろな人がいた。

「さすがに行列しているときは早めに出ますが、化粧直しやスマホの操作、よくないのはわかっていますが電源を借りて充電することも……」(30代女性)

「トイレくらいしか仕事中に休憩するタイミングがないから、個室でうとうとすることはありますね」(40代男性)

「上司に怒られたあとは、トイレで心を落ち着かせます。深呼吸して、眉間にしわが寄ってないかチェックしてから個室を出ます」(20代女性)

「外回りの営業なので夏はかなり汗をかく。1日数回はトイレで汗を拭いたりシャツを着替えたりします」(30代男性)

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