──この問題を巡っては、事件関係者でもある同僚の女性副検事を昨年10月、国家公務員法違反や名誉毀損などの疑いで大阪高等検察庁に刑事告訴・告発しています。性的暴行の訴えがうそだったといううわさを職場で広めたりしたという理由でした。この副検事が、北川被告に捜査情報を漏洩した疑いがあるなどと指摘されています。

PTSD経て休職も、副検事から二次被害受ける

 被告からレイプされ、脅迫・口止めされ、5年余り被害を公にできず苦しんできたのですが、昨年2月、覚悟を持って被害申告し、被告が起訴されたことでようやく徐々に検事の仕事に復職できると希望を持っていた矢先に、今度は、副検事や検察組織から苦しめられました。

 私は、PTSDによる休職を経て昨年9月に復職しましたが、副検事が、保秘徹底を指示されていたにもかかわらず、被告側に捜査情報を漏洩し、私の実名を挙げ被害者が私であると言い広め、「被害者は酔っておらず被告の性交に同意していた」「PTSDは詐病」などと吹聴していたことが分かりました。しかも、その副検事と同じ職場に復帰させられたのです。検察組織は職場の安全を確保してくれるどころか、PTSDで苦しむ私の症状を悪化させる対応に終始し、再び休職に追い込まれました。

(構成/編集部・野村昌二)

AERA 2025年4月14日号より抜粋

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