(イラスト:おーるい みちひさ)
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 トランプ政権による「相互関税」の影響で、世界経済を後退させるリスクが高まる懸念が強まっている。3日の東京市場では日経平均株価が989円安となり、節目の3万5000円を下抜け。さらに翌4日には一時1400円安を記録。週明けの7日は一時3000円近くの下落幅となっている。こんな時にこそ読み返したい記事を振り返る。(この記事は「AERA dot.」に2024年7月14日に掲載した記事の再配信です。年齢や肩書などは当時のもの)

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お金が減るのが怖い」人も抵抗感なく始められる資産運用の決定版。国の年金運用とそっくりな投資信託を積み立てる方法で、おすすめの投信を紹介する。AERA 2024年7月15日号より。

AERA 2024年7月15日号より

 値上げラッシュで家計が圧迫され、将来に備えて月々数万円を貯金するだけで精一杯。その貯金を投資に回すとお金が減る可能性もある。そんなの絶対に嫌だ──。そう思う人は多い。

 金融庁はNISA、厚生労働省はiDeCoという制度を設け、「貯蓄から投資へ」のシフトを誘導している。簡単に言えば、どちらも投資に関する税金を優遇するものだ。

 インフレと円安のダブルパンチでも、少しでも豊かな暮らしのために、ちょっぴりお金に働いてもらいたい。そこで本誌が提案するのは、リスクが気になる人でも抵抗感なく始められるNISAとiDeCoの活用法である。NISAでは極力リスクを抑えた投資信託を選び、iDeCoではノーリスクの定期預金が中心の運用をする。インデックス投資アドバイザーのカン・チュンドさんに取材した。

「資金的な余裕はあるのに、リスクを恐れて踏み出せない人は多いです。むしろそのほうがサイレントマジョリティー(積極的に発言しない多数派)でしょう。そういう方に手を差し伸べられていないのは、大いなる欠損だと思います」

 2024年3月末で、NISAは2322万口座(金融庁)。休眠口座も含まれているだろうが、これらすべてが稼働していたとしてもNISA口座を持たない人のほうが多い。カンさんの言う通り「踏み出せない人、その気がない人」が多数派だ。

株式100%が是か

 現在、NISAで買われている一番人気は「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」、その次が同「米国株式(S&P500)」だ(主要ネット証券5社、24年1~3月/本誌調べ)。初心者向けのガイド書でも「資産運用は株式100%のインデックス投資信託で決まり!」といったアドバイスを見かけるが、「『決まり!』ではない」とカンさん。

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