北極域研究船の命名・進水式を含む公務を終えて帰路に着く愛子さま=2025年3月19日午後4時過ぎ、横浜市磯子区、読者提供
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 天皇、皇后両陛下の長女の愛子さまは3月19日、横浜市の造船所であった北極域研究船「みらいⅡ」の進水式に出席した。この日は朝から雪や雨に見舞われたが、マリンカラーのスーツに身を包んだ愛子さまが進水式に臨んだ午後には天候が回復し、青空が広がった。

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 やや緊張した表情の愛子さまが臨んだのは、愛子さまにとって初めての「切断式」。赤いふさのついた小型の斧を振り下ろし、船につながる支綱を切断するとくす玉が割れて、紙吹雪や風船が一斉に舞い、花火の打ち上げとともに拍手が湧き上がった。

 船体には「みらいⅡ」の文字が大きく書かれている。

「私、きちんとできましたよね?」

 式典のあと愛子さまは、案内役の研究員をむいて、にっこりとほほ笑んだ。
 

DVDで「予習」をした愛子さま

 進水式への出席が初めてだった愛子さまは、「予習」をして式典に臨んだようだ。案内役の研究員には、過去にあった進水式の映像を「見ました」と話していたという。

 北極域では、地球温暖化に伴う海氷の減少など、急激な環境の変化が進んでいる。それは日本を含む世界の気候や気象に大きな影響を及ぼすと同時に、資源開発や航路利用など社会活動の活発化ももたらしつつあり、データの収集や観測が盛んになっている。

「みらいⅡ」は、日本の研究船としては初めて氷を砕きながら進む「砕氷機能」を備え、これまでできなかった冬季での調査なども可能になるという。
 

 愛子さまは環境問題に関心が深いことで知られている。

「北極圏の研究は非常に重要ですね」

この日、「みらいⅡ」の特徴や地球温暖化による影響について説明した関係者は、気候変動を知るうえでの北極域の重要性を愛子さまはよくご存じだった、と振り返る。

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