
昨季、DHとして史上初めて満票でのMVPに輝いた打撃成績を再び見せてほしい。デーブ・ロバーツ監督はそう期待しているはずと続ける。
「打順もポイントです。昨季はムーキー・ベッツの故障から6月中旬以降に1番に起用されましたが、今季は開幕から不動の1番打者でしょう。開幕前にロバーツ監督が、大谷選手には『5打席与えたい』と語っていたことからも打撃への期待感が非常に高いことがわかります」
ライバルとなる3選手
大谷は今季、どこまで人の想像を超えてくるのか。一番の期待は本塁打だろう。2022年シーズンから34本、44本、54本と10本ずつ増えており、単純に計算はできないものの、福島さんは「60本塁打の大台も夢ではない」と話す。
「起用が変わらなければ昨季よりも打席数は増えるでしょうし、後に控える強力な打者陣を見れば敬遠されることもほぼない。さらに今季は昨季よりも長いバットを使用していますが、これは飛距離を意識したことがうかがえますし、ますます本数の増加を期待したくなります」
長いバットとなれば扱いが難しく、打率は下降するのではと考えたくもなるが、大谷は打率も年々上昇させており、進化が止まらない。「三冠王も狙える」と話すのはMLB日本語公式サイト「MLB.jp」編集長の村田洋輔さんだ。
「2月末のオープン戦初戦、しかも初打席で菊池雄星投手から本塁打を放っていますし、新バットへのアジャストは開幕前の時点ですでに完了している印象です。3割50本塁打100打点は現実的な数字ですし、3割2分前後の争いになれば首位打者のチャンスも出てくると思います」
村田さんは、大谷が三冠王を狙ううえでライバルになりそうな選手を3人挙げる。まずは、大谷の契約額を超えてメッツに史上最高額で加入したフアン・ソト。昨季はヤンキースで41本塁打109打点の成績を残した左の強打者だ。まだ26歳で伸びしろを残しており、昨季以上の成績を残す可能性は十分にある。パドレスのルイス・アラエスも怖いライバルだ。