AERA 2025年3月31日号より

「3年連続首位打者で、昨季は左手親指の靱帯を断裂していながらタイトルを獲得しました。万全であれば3割4分は残せる打者で、強力なライバルです。ほかにも昨季メジャー2年目ながら、遊撃手として史上初の25本塁打65盗塁を達成したレッズのエリー・デラクルーズは急成長していて怖い存在です」

 打撃三冠のほか、盗塁数も気になるところだ。昨季ワールドシリーズでの盗塁死で左肩を痛め、ロバーツ監督は大谷の盗塁に慎重な姿勢を見せている。

「チームや大谷選手にとって最も恐れるべきは怪我での欠場です。オープン戦では『大谷は走らせない』として、盗塁はしていません。ただ、いざ開幕すれば1番打者として大谷選手のスピードは必要でしょうし、50個は難しくとも、20~30個は記録するとみています」(福島さん)

 カブスとの開幕戦では二塁へのスライディングも披露。左手を地面につけずに滑り込んだが、この“新走法”が形になれば、積極的に次の塁を狙う大谷が再び見られるはずだ。

「パワーとスピードを高次元で兼ね備えた大谷選手ならではの記録、前人未到の『60-30』を期待したいです」(同)

 今季は節目のメジャー通算記録も狙えそうだ。本塁打記録では250本塁打まで25本、日米通算300本塁打までは27本としており、近年の本塁打数を考えると、ともに達成の可能性は高そう。残り122本と迫る1000安打、残り55個の200盗塁も昨季の数字からすれば十分射程圏内だ。(編集部・秦正理)

AERA 2025年3月31日号より抜粋

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