Tokyo焼売マニア:東京・新橋の進化系シュウマイを牽引する中心的存在。基本の「マニアな焼売」や唐辛子が刺さった「しびれ焼売」など常時10種以上を提供(写真:写真映像部・上田泰世)
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 よく見ると、町中でシュウマイの文字を見かける機会が増えた? マイナーだったシュウマイは、近年進化を遂げ、新たな食文化を形成しつつある。AERA 2025年3月31日号より。

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 最近、いつ、どんな種類のシュウマイを食べたか覚えているだろうか?

 私のようにほぼ毎日食べている人間でなければ、大半の方はすぐには答えられないだろう。だが、焼き餃子、小籠包であればどうだろうか? 即答はなくても、シュウマイほど答えに躊躇することはないはずだ。

 今日のシュウマイの社会的地位が低いことは、残念ながら否定できない。その根拠の一つとして、焼き餃子や小籠包を主役にする飲食店や販売店は、全国各地に数多く見かける。一方、シュウマイ関連の店舗はこれまでほとんど存在しなかった。強いて挙げれば、横浜のソウルフード「シウマイ弁当」を販売する「崎陽軒」か、大阪のお土産の定番で豚まんと並びシュウマイも名物の「551蓬莱」ぐらいだろう。

中華の枠を超えた

 しかしここ数年、シュウマイを専門にする、もしくは主役にする飲食店や販売店が増加傾向にある。しかも、そこで提供される多くが「進化系シュウマイ」なのである。

 日本におけるシュウマイという料理は、先の焼き餃子や小籠包と同じく、中国料理の点心が起源と考えられる。明治期の開国の際に横浜、神戸など港町に外国人居住区が形成、そこに中国人のコミュニティーも生まれ、主にその中国人たち向けに提供され始めた料理のひとつが、日本のシュウマイの先駆けである。

 その後、日本人向けにアレンジされながら、中国料理の延長としてシュウマイは飲食店や一般家庭に定着、浸透してきた。

 こうして形成された、いわゆる日本の定番のシュウマイとは、豚肉と玉ねぎを基本素材に、店によって海老や椎茸、たけのこなどの具材が加えられながら、それを片栗粉や卵白などのつなぎによって「あん」をつくり、小麦粉の薄皮で包み、木製せいろなどで蒸しあげて完成するものである。

 しかしここ数年、こうした定番の具材や作り方にこだわらず、自由な発想で作り上げたシュウマイが登場し始めた。定番と区分けするために、私は「進化系シュウマイ」と定義することにした。

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