
消費者問題に詳しい、ひかり総合法律事務所の高木篤夫弁護士はこう話す。
「電話による解約が難しい場合は、電話を何時何分にかけたがつながらなかったという事実を証拠として残し、それを内容証明郵便で送って解約を申し出ることも一つの手です」
ただ、定期購入の解約には応じるけれど、それまでの代金は支払ってほしいという和解案を持ちかけてくることもあるというから、そう簡単ではなさそうだ。
「スマホは画面が小さいため大きなバナーにばかり目がいきやすい。大事なことは下までスクロールしなければわからないことも多い。悪質な業者は消費者に誤解させ購入させようとしてきます。特定商取引法(特商法)に明確に違反していれば違法と言えますが、現行法では違法とまでは断言しづらいところがあります」(高木弁護士)
ダークパターン
21年成立の改正特商法で、ネット上の契約申し込みについては最終確認画面で一定の事項についての表示義務が定められ、誤認させるような表示の禁止が規定された。誤認させる表示をして消費者が契約の申し込みをした場合は、契約を取り消すことができるようになった。これを「契約の取り消し権」というが、実際にこの権利を使ったケースは「聞いたことがない」と高木弁護士は言う。
「取り消すには『誤認させた』という事実を立証しなければならないのですが、購入した時の画面を保存していないのでそれを証明しづらい。SNSの広告は、新聞広告などと違い、誰でもいつでも見られるものではなく、その時々でその人それぞれに対して表示されているので、再現できないことがとても多い」(同)
ちなみに、定期購入トラブルは新しい話ではない。何年も前からあり、社会問題となったために法改正されたのだ。しかし法の網をかいくぐるように、トラブルが起き続けている。
「こうした事業者の手法は、誤解を生じさせて消費者を不利な選択に誘導する、いわゆる『ダークパターン』と言われます。日本はダークパターンに関してあまり規制がない。さらなる法改正を望むところです」(同)