さらにタロットは学術的な研究対象にも
また2025年3月現在、ロンドン大学ウォーバーグ研究所では7世紀にわたるタロットの図像の変遷をたどる展示会が開催されている。ウォーバーグ研究所はルネサンスの占星術の図像学研究などの先駆。「タロットの占い以外の側面にも注目が集まっている」と鏡さん。
「ロンドン大学ウォーバーグ研究所と言えば“図像学”研究の方法論を確立したアビ・ウォーバーグのアーカイブを基に設立された、世界に冠たる学際的な人文学の殿堂です。
それまでは等閑視されていた占星術やオカルト思想の歴史上の重要性を美術史を中心に学際的な見地から再評価する学者たちを輩出してきたことでも知られます。この度、その名高い図書館に所蔵されている貴重なタロットが展示されます。世界に冠たる学術研究機関が、これまで周縁的なオカルトグッズとされてきたタロットの展覧会を開くというわけですから、タロットに対しての評価が普通考えられているよりも大きく変化してきていることがわかるでしょう。タロットはポップカルチャーの中で盛り上がるばかりではなく、学術的研究対象としても再評価されつつあるわけです」