[撮影:蜷川実花/hair 北村雄太/make up 野﨑裕子/nail sucreHIRO/styling 服部昌孝/costume Rick Owens/prop styling 遠藤 歩]
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 先週に多く読まれた記事の「見逃し配信」です。ぜひ御覧ください(この記事は「AERA dot.」で2025年3月12日に配信した内容の再配信です。肩書や情報などは当時のまま)。

【写真】蜷川実花が撮った!AERAの表紙を飾ったちゃんみなはこちら

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 プロデューサーを務めたガールズグループオーディション「No No Girls」が社会現象に。新たな経験を通して生じた心境の変化について語った。AERA 2025年3月10日号より。

――「No No Girls」の最中である24年7月に結婚と妊娠を発表したちゃんみなさん。約1カ月後、音楽フェス「SUMMER SONIC 2024」のメインステージに立ち、大きなおなかを露わにしてライブを行った。

ちゃんみな:サマソニからは妊娠がわかる前にオファーをいただいていました。私にとっては初めてのメインステージ。初めての妊娠なのでどういうコンディションになるかはわからないということを伝えて了承していただいた上で、ギリギリまで自分の体調と向き合ってやり遂げられたステージでした。

 無責任に「子どもを産んだ方がいい」とは言えない社会です。私も夫も子どもを授かることを望んでいたので妊娠はとても嬉しい出来事でした。「No No Girls」のプロデューサーの仕事もあるので不安はありましたが、ママの先輩たちから「育児もキャリアも諦めなくていいんだよ」と言ってもらえたことが支えになりました。子どもが生まれたことで睡眠時間が削られたりして、改めて育児は世界で一番大変な仕事だと実感しています。

 もっとみんなで子どもを育てられるような社会になればいいなと思っています。ママが一人で抱え込んでしまう状況は息苦しさを生みます。私は夫や両親が育児を手伝ってくれていますし、産後、どうしようもなかった時はシッターさんにお願いすることもありました。そういったことを悪だと捉えず、全部自分で責任を持ってやらなければいけないという固定観念を外して、みんなで自分たちの未来を育てる環境や社会を持てたらもう少し楽になるんじゃないかと思います。

――出産後、どんな内面的な変化を感じているのだろうか。

ちゃんみな:子どもが生まれる前は「いつ死んでも後悔がない」と思っていて、「どうやって生きたいか」ではなく「どうやって死にたいか」を考えて生きていました。子どもが生まれてからは「生きないと」と思うようになりました。「一言でも多く話をしてあげたいし、1時間でも多く一緒にいてあげたい」と思う存在ができたのが不思議です。「この子が大きくなって道に迷った時に助けてあげなければいけない。私が死んでしまったらそれができなくなる」と思うと生きなければいけない。できるだけ長く見守ってあげたいです。

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愛はお金では買えない